バックアップメンバー招集見送りのNEC佐野航大は、パリ五輪をどんな想いで見ていたか。切り替えてクラブに専念「自分の名前をもっと知らしめたい」【現地発】
「ここで活躍してステップアップ。自分にはそれしかない」
NECに来た頃から「自分はまだU-23日本代表に選ばれた経験はないですが、パリ五輪のメンバーに入りたい」と公言していた佐野は6月、五輪代表のアメリカ遠征のメンバーに加わった。しかし最終メンバー18人の中に佐野の名はなく、バックアップメンバーにとどまった。 当初は「バックアップメンバーのオリンピック帯同はなし(その後、『帯同あり』に)」ということからNECの要請もあり、佐野はクラブに集中することになった。 このチャレンジを本人が振り返る。 「やっぱり自分がオリンピックのメンバーに選ばれてプレーしたかった。でもバックアップメンバーだとチーム(NEC)との兼ね合いがあって、ちょっと難しい立ち位置でした。チームに合流すると決まってから切り替えてオーストリアキャンプに取り組んだりすることができました。パリ五輪には出たかったけれど、逆にオランダリーグという良いリーグでプレーしているのも事実なんで、ここで活躍してステップアップすることが一つ。自分にはそれしかないと思う。 今シーズンは結果を出して、自分の名前をもっとヨーロッパで知らしめたい。オランダリーグはやっぱり注目されてます。自分の今の年齢(20歳)を見ると、ここでの2年目、しっかり活躍したい。もっと頑張んないといけないです」 プレシーズンではスタンダール(ベルギー)、ヘルタ(ドイツ)、オリンピアコス(ギリシャ)、そしてル・アーブルといった欧州各国の好チームとの試合で技を磨いた佐野。 「僕はその4試合全部出たんですけども、他の国のチームとできるというのは本当に刺激になる。国によってプレースタイル、やってくるサッカーが全然違う。でもやっぱり球際や切り替えのところは、レベルの高いチームになっていくほど、そこが徹底している。やっぱり強いチームに必要なのはそこ。そこを最低限やりつつ、個人で運べたり、個人で打開できたりする化け物みたいな選手がいっぱいいる。そこの基準を自分たちももっと上げたい。だから個人としても、もっと成長したい」 仲間たちが檜舞台で切磋琢磨するその裏で、佐野もかけがえのない経験を積んでパワーアップしていた。9月、21歳の誕生日を迎える佐野の本当の勝負はこれからだ。 取材・文●中田 徹
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