「母さんの金、使い込んだな!」「世話もしないでなにいってるの!?」…〈疑念+怒り+悲しみ〉が絡み合う、相続トラブルの実態【弁護士が解説】
寄与分の主張は難しい…「遺言書の準備」が有力な選択肢に
今回は、不正出金と寄与分についてご説明しました。 Aさんのように、被相続人のために支出した記録をすべて残しておられる方もいれば、なかにはレシート等をまったく保管されていない方もいらっしゃいます。預貯金の引出しは争いとなりやすいところですので、後々のトラブルを避けるため、きちんと記録を残しておきましょう。 また、寄与分を主張したいという方は多いのですが、実際にはなかなか認められにくく、また、認められたとしても想定よりも低い金額となりやすいのです。おこなった寄与についてきちんと記録を残しておくのも重要ですが、被介護者の認知能力に問題がなければ、介護をおこなった方に多くの遺産を相続させる内容で遺言を作成してもらうことも有力な選択肢になるといえます。 國丸 知宏 弁護士法人菰田総合法律事務所 弁護士
國丸 知宏