ジャルジャル福徳秀介さん「初デートはわんこそば」「好きだからやれる」思春期の恋愛や読書のきっかけをインタビュー【短編小説集第2弾・刊行記念】
初デートの思い出は、無地の白Tシャツとわんこそば
―― 10代の頃の恋愛で、こうしておけばよかったと後悔することはありますか。 福徳さん: ドラマ『ビーチボーイズ』が流行っていた時代だったので、無地の白Tシャツが結構好きで。今も好きなんですけど、高校生の時もよく着てたんです。 初デートでも着て行ったら、それを後々結構チクチク言われたんですよ。「めっちゃいややった。肌着にしか見えへんかった」みたいな。でも、デザイン系のTシャツ着ていけば良かったかというと、それはそれで。あれでよかったなと思いますけどね。 ―― 初めての彼女さんとの初めてのデートですか。 福徳さん: そうです。ちなみに初デートはわんこそばやったんですよ。これは本当にね、奇跡としか言いようがないんですけど、何気ないうどん屋さんに入ったらなんか珍しいそばがあって、そのそばを注文したら店員さんが横に来て、一杯ずつ入れてくる。完全にわんこそばスタイルで(笑)。 初デートで何喋ろうかなという緊張感もあった分、わんこそばのおかげで和んだというか。「何やねんこれ!」って言いながらめっちゃ食うたんで。いい思い出ですね。
一冊の本との出会いと、「お笑い」や「書くこと」に共通するモチベーション
―― 福徳さんの小説を読んでいると、これまでにかなりの本を読んできた方なのだと想像させられます。今、子どもたちの活字離れが問題とされていますが、文字や本との付き合いについてお考えがあればお聞かせください。 福徳さん: 僕も小さい頃は、親から「本を読め」といろんな本を買ってこられたりしましたが、結果、ほとんど読みませんでした。唯一、小学校の時に読んでいたのが『ズッコケ三人組』。でも、読書自体にハマるきっかけにはならなかったです。 けど、中3くらいの時に偶然図書館で見つけた本があって。僕が知ってる人が本を出していて、「この人、本書いてるんや」と思って何気なく読み始めたんです。そしたらそれが面白すぎて、読み終わった後はちょっと放心状態になりました。おもろすぎるやろって。 ―― HugKumでの以前のインタビューでも詳しく話してくださいましたね。 福徳さん: その本を何回も読んで、それから「もしかして、本って、これよりおもろいものがあるってことか?」とふと思い、これよりおもろい本を探そうという気持ちで他の本を読み始めたんですよ。 ずっと「あの本よりおもろないな、あの本よりおもろないな……」の繰り返しで、結局いっぱい本を読む羽目になりました。 きっかけや環境とか、そういう偶然が重なり合わないと、本って読まへんのやろなっていう風に思いますね。 ※以前の記事は記事末の関連リンクをチェックしてください