【Q&A】無呼吸症の医療器具が心配な方へ、疑問にお答えします
Q すぐにCPAPの使用をやめた方がいいのですか?
CPAPの使用を中断すると深い眠りが得られなくなり、日中に強い眠気を感じて交通事故を起こす恐れや、知的活動の低下につながる可能性が高まると考えられています。また、高血圧や糖尿病、心疾患、脳血管障害などの合併症の原因となる場合もあると指摘されています。 問題の発覚直後、日本呼吸器学会は医師に対し、まずは患者とよく相談し、患者の症状や職業事情(運転や危険業務があるか)を考慮しつつ、「治療を中断するリスクと治療継続のベネフィット」を勘案し、総合的に判断するよう求めました。患者の立場からすると、「健康被害を起こす可能性がある製品で治療を継続するリスク」も考え合わせ、他社製品への乗り換えも含めて判断したほうが良いと思われます。 ただ、米フィリップスは今年初めの時点で、世界の回収に必要な部品や器具の9割をすでに製造したと発表しています。日本国内での回収率は、フィリップス・ジャパンが公表を拒んでいるため詳細はわかりませんが、使用中の器具がすでに「改善品」に交換済みなら慌てる必要はないでしょう。しかし、体調に原因不明の異変を感じている場合は、以前の器具を使っていた期間と発症時期との関連を考えたほうが良さそうです。CPAPの「防音材の劣化の疑い」により、少なくとも49人に健康被害が出ていることが国への報告で明らかになっています。
Q 自分の持っている器具は大丈夫?
すでに改善品への交換が済んだかどうかがわからず、現在使用中の器具が安全かどうか、心配になる患者も出ています。実は、その見分け方は簡単。本体の横に「緑色の丸いシール」が貼ってあれば「改善品」に交換済みで間違いありません
Q 使っていたCPAP装置が、自主回収された覚えがないのですが?
フィリップス・ジャパンは今回、CPAPの回収をする際に十分な説明や情報提供をしていないため、器具の「定期的な交換」と思い込んで応じた患者が少なくないようです。 たとえば、関東のある患者に届いたフィリップス代理店からの文書には、問題についての説明が見当たらず、定期的な交換と誤解されても無理のない内容でした。心配なかたは上の「緑色のシール」を確認してみてください。