選手権準優勝でシーズンを終え、来季は新体制で新たなステップへ。立川・皆本晃「3年後くらいから立川の逆転のフェーズが始まる」【第29回全日本選手権|ミックス/名古屋オーシャンズvs立川アスレティックFC】
3月3日、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場にて第29回全日本フットサル選手権大会の決勝戦が行われ、名古屋オーシャンズと立川アスレティックFCが対戦。試合は6-2で名古屋オーシャンズが5年ぶり6度目の優勝に輝き、立川は惜しくも準優勝という結果に終わった。 試合には敗れたものの、試合を通して高いパフォーマンスを見せたのが立川・皆本晃。2022-2023シーズンより選手と兼任しクラブの代表理事も務め、業務に追われる皆本だが、決勝戦に立つ主力メンバーとして強度の高いプレーを見せた。今大会をもって、3年間ともに戦った比嘉監督が退任し、チームは新たなステップへと進む。クラブの行先を見据える立場の源は、この先どんな未来を描いているのか。 試合を終え、皆本に話を聞いた。
比嘉監督がプロとしての本当のマインドを植えつけてくれた
──名古屋の強みであるピヴォを抑えることが、この試合を左右するポイントだったと思います。 名古屋のピヴォは本当に強力でした。名古屋はピヴォを中心に質的優位を作って攻めるのが伝統のスタイルですが、そこの部分で負けてしまうと試合にならなくなると思っていたので、対等にイニシアチブを取ることは意識していました。ただ、今日の試合では押し込まれる部分もあり難しかったなという印象ですね。 ──今日の名古屋戦では前半を中心に多くのチャンスも演出していました。やはり勝負を分けたのは「決め切る力」でしょうか。 決定力もそうですが、見えないプレッシャーもありました。ゴール前までボールを運ぶ作業は労力もかかりますし、相手の攻撃に対して自分たちのディフェンスの強度も高くしなければならなかったので、相手のゴール前まで迫った際に落ち着きを保てるフィジカルの状態では無かったと思います。仮に相手が格下で、自分たちが楽にプレーを進められていたら同じ状況でも得点は生まれていたと思います。国際試合でもレベルの高い相手と対戦した時に、ゴール前で力が入らないというのと同じ状況かなと思うので、一概に決定力だけとは言えないです。とはいえ、チャンスの数自体は明らかに以前よりも作れるようになっていると思います。そこはポジティブに捉えたいですね。 ──今日の試合では、昨季まで在籍していた金澤空選手にもゴールを奪われました。やはりこの失点は悔しかったですか? 試合に負けた方が悔しいです。チームを退団した選手だから決められて悔しいということはないです。別に彼も裏切り者で出てっているわけではないので。 ──今日の試合は比嘉監督にとって最後の試合となりました。皆本選手にとって比嘉体制の3年間はいかがでしたか。 本当にクラブとして1つステージを上げてもらったなと思います。優勝は1度しか出来なかったですが、リーグ戦も何度も上位に食い込み、オーシャンカップでもファイナルに進出する事ができました。戦術的な面はもちろんですが、監督がプロフェッショナルとしての本当のマインドを植えつけてくれたのではないかと思います。ミスに対しても本当に厳しいですし、これがポジティブかは分かりませんが、若い選手を簡単には試合に出しません。最低の基準を超えないと試合に出れるわけないよって。練習から若手やベテラン、日本代表選手にも関係なく厳しい指導をしますが、プロフェッショナルなマインドをチームに持ち込んでくれたお陰でチームの基準が上がったという点で本当に感謝しています。 ──ここ数年リーグ戦でも上位を保っていますが、高い結果をずっとキープし続けることは比嘉監督のマネジメント力だけではなし得ないと思います。 比嘉さんがマインドを植え付けてくれた部分ももちろんありますが、クラブとしても選手が成長出来る土壌がもともとあるのかなと思います。選手がいなくなっても、また次の選手がチャンスを掴んで結果を出して成長する。だからあまり言いたくはありませんが、代表にもアスレ出身の選手は沢山いると思います。(笑) これは僕たちが作ってきた土壌の中で育ってきた選手たちだからこそ花開いたということで、そのマインドや技術の面で成長できる土壌があることがチームの強みなのではないかなと。戦術だけではなく、フットサルに対しての考え方や価値基準は大事にしていきたいです。
【関連記事】
- 【最新情報】JFA 全日本フットサル選手権大会|試合日程・結果・順位表|試合会場|日本サッカー協会
- 【第29回全日本選手権|ミックス/名古屋vs立川】3つ目のタイトルとMVPを獲得し、チームを去るダルラン「最後の1日まで全力を尽くしたかった」
- 【第29回全日本選手権|ミックス/名古屋vs立川】手負いのストライカーが、決勝で本領を発揮し2得点!名古屋・清水和也「ピッチに立った以上は、チームに貢献しないといけないと思っていた」
- 【第29回全日本選手権|ミックス/名古屋vs立川】比嘉体制ラストゲーム。最後の1秒までキャプテンとしてチームを鼓舞し続けた立川・上村充哉「このチームを衰退させるつもりは1ミリもない」
- 【第29回全日本フットサル選手権|記者会見/名古屋vs立川】“ラストゲーム”で全日本選手権のタイトルを加えた名古屋・フエンテス監督「優勝にふさわしいプレーができた」