プロテイン好き、冷房で冷える…「おならが臭い、コロコロ便が出る人」の特徴と対策
冷房で体を冷やしすぎたり、冷たいものを食べ過ぎたりして、夏は胃腸の調子を崩しがちな人が多いのではないでしょうか? 胃腸の働きが低下すると、おならが臭くなったり、便秘に悩むことにも…。そこで今回は、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、胃腸の働きを助け、おなら・便秘対策をするための食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます! 【保存版】たんぱく質の摂りすぎに気をつけて!「おならが臭い、コロコロ便が出る人」のNG習慣まとめはコチラ
おならが臭い、コロコロ便などの症状に悩んでいませんか?
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 277 最近、お腹が張りやすくなったり、重くなったり、おならが臭くなったり、便がコロコロしたり、ベットリした便がでたり、残便感があったり…と腸の不調を感じることはないでしょうか。 この時期は、寝ているときにエアコンでお腹が冷えたり、冷たいものを食べ過ぎたり、暑さとエアコンの寒暖差や急な気圧の変化で自律神経を乱したりすることで、胃腸の働きが低下してしまうことがあります。お腹がポンポンになり、タイトな服が似合わなくなったり、おならが臭く恥ずかしい思いなどをすると、いち早く何とかしたいと考えますよね。 そんなときには健康食の代表ともいえる高プロテイン食を食べ、健康に気をつけるようとする人もいらっしゃるかもしれません。とくに、夏バテ中で食欲がなかったり、料理する気力がないときにプロテインに頼りがちになってしまうこともあるかもしれません。ですが、たんぱく質の過剰摂取は、さらに便秘を加速させたり、おならを臭くさせることがあります。ということで、今週は、おならが臭くて困っている人のための食薬習慣を紹介します。 今週は、おならの対策となる食薬習慣 スルッとした便はでていますか? お腹が変に張ってしまうことはないでしょうか? 健康になろうと考えるときに、一番初めに整えなければならないのが、胃と腸です。もし、今胃腸の状態が良くないと思う人は、栄養の消化吸収や老廃物の排泄がうまくできていなく、腸内細菌のバランスが乱れているかもしれません。感染症にかからないために、メンタルを整えるために、疲れやすい体にならないように、食事内容をコントロールすることで、胃腸の状態を健全に保つようにしましょう。 漢方医学では、今の体の状態を知るために便の状態、おならの状態、舌の状態など、体の変化を反映しやすい部分をチェックすることがあります。とくに、この時期おならの回数が増えたり、臭くなったり、便秘になったりと腸の不調で悩み始めた人は気をつけましょうね。単純に膨満感やおなら、下腹部がポッコリすることが迷惑な出来事だというのではなく、健康にとって大問題だからです。 漢方医学では、消化吸収に関わる『脾』の働きが低下したり、体がエアコンや冷たい飲食物で底冷えし『腎陽』が不足している状態だと便秘やおならが増えると考えます。そこで、今週は『脾腎』を強化する食薬がおすすめです。今週食べるとよい食薬は、【オクラと長芋ポン酢】です。 そして逆にNG習慣は、人によって許容量の異なる【高たんぱく質の摂りすぎ】です。 食薬ごはん【オクラと長芋ポン酢】 消化を助けるアミラーゼや『腎』を強化するジオスゲニン含む長芋とネバネバ成分が胃腸のケアになるオクラを合わせて『脾胃』を強化します。 <材料>2人分 長芋 5㎝(一口大) オクラ 5本(3㎝に切る) お酢・醤油 各大さじ1 <作り方> オクラをポリ袋に入れレンチンし、ポリ袋に長芋の調味料をいれ、10分おいたら完成。お好みでノリや大葉、みょうが、桜エビなどを添えてもいいですね。 NG行動【プロテインなど高たんぱく質の摂りすぎ】 一昔前までは、プロテインと言えば、筋トレを頑張るムキムキな人が好んで飲むものだったと思います。ですがここ数年で、トレーニングをしている人だけではなく、健康や美容に対する意識の高い人ほどプロテインを取り入れる努力をするようになってきました。外出時にも取り入れやすいプロテインドリンクやプロテインバー、お肉をたっぷり食べる傾向は一般的になり、コンビニやドラッグストアなどでも大きな売り場があるほど、多くの人に愛用される存在となりました。 ただ、たんぱく質の適正量は人によって異なります。食べれば食べるほど良いわけではありません。腸内で悪玉菌が増え、ニオイの原因となる物質を発生させることもあります。食べ過ぎは胃腸への負担となるので、胃腸の声に耳を傾けつつ自分に合った量を無理なく取り入れていきましょう。 便やおならの状態は、不調を感じる前に直すべき食習慣があることを教えてくれる大切なチェックポイントです。不快だと思うだけで何も行動を変えないのではなく、原因を見つけて習慣を少しずつ変えることで、今より元気な体を目指していきましょう。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)や新刊『だる抜け ズボラ腎活(ワニブックス)』でも紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。 ※食薬とは… 『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。 近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。 ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。 Information <筆者情報> 大久保 愛 先生 漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。 公式LINEアカウント@aika ©nicoletaionescu/Adobe Stock
大久保 愛