たまらん喉越し! だしをすする喜びに満ちた、この夏一番の「すだちそば」
「みよしそばの里」の新そばは、粘り気も香りも甘みも強いため、まずは何もつけずにそのまま食べてみるのがおすすめ。細切りのため咀嚼しすぎず、思い切りすすることで、香りがよく感じられる。
お好みでテーブルに置いてある沖縄県産の海塩「塩夢寿美(えんむすび)」を少しつけてみれば、そばの甘みが開く。その後はそばつゆにつけて、ズズッとすすってほしい。
そばつゆは、1808年創業の丸勝かつお節の備長炭で炙った本枯節で取っただしに、かえし醤油を加えたもの。一般的なかつお節よりも濃厚でコクのある味わいをした本枯節を使ったつゆが、清廉なそばの味わいを引き立ててくれる。
すだちの爽やかな味と香り、澄んだだしの味わいをまとった「冷かけすだち」
森脇さん「「土山人」系列を思わせる、すだちそばがおすすめです。ガラスの器にスライスしたすだちを浮かべた、見るからに涼しげな一杯。繊細な喉越しが、すっきりとしただしによく合っています。清涼感あふれる味わいは、暑い日にはピッタリの逸品。訪れた日は、京都産のそばでしたが、日によって変わるようです。」
森脇さんイチオシは、期間限定(今年は9月中までの予定)で登場する「冷かけすだち」1,450円だ。せいろと同じそばを使用するものの、10℃以下の冷たいだしをかけて提供するため、食感を意識してゆで時間は30秒弱と少し長い。
だしはすだちの爽やかな酸味と香りに合わせて、かつおの酸が立つように、あえて血合いが適度に入った新鮮なかつお節を使用し、甘がえし醤油も加えて作りあげている。味の決め手となるすだちは徳島県産。「フレッシュな味わいを楽しんでほしい」と提供直前にスライスし、1人前に約1.5個分も散りばめている。
目にも涼やかな「冷かけすだち」は、澄んだおだしをすする喜びに満ちている。細切りのため麺と麺の間にしっかりだしが含まれ、すするとかつおだしの酸味を伴うイノシン酸系のうまみ、すだちの爽快な香りと酸味が口の中で上品に混ざり合う。こんな涼しげで粋な一杯に出合えるのなら、猛暑も受け入れられるというものだ。