「ディプティック」と協業した“フェルトの女王”に聞くコラボからクリスマスの過ごし方まで
スパロー:メゾンとしての文化はもちろん、パリのメゾン ディプティックのインスタレーションのためにフランスの伝統的なホリデーについて学んだ。遊び心と情熱を加えて表現したつもり。「ディプティック」のパリのチームは素晴らしかった。ロンドンのメゾン ディプティックを何度も訪れ、すっかりスタッフと友人になった。ぶらぶらするだけで楽しい場所で、何時間も過ごせる。
WWD:コラボで苦労した点と楽しかった点は?
スパロー:「ディプティック」のオードトワレやオードパルファン、キャンドルなどの複雑なディテールを描き出すのが難しかった。おなじみの楕円形のロゴはもちろん、住所など細部まで再現した。コラボの制作中に「ディプティック」と1万回は描いたと思う。ソーイングボックス型のアドベントカレンダーについては、明確なビジョンを持っていた。私が子どもの頃に初めて裁縫箱を手にしたときの興奮を表現した。裁縫箱はクリエイションの可能性に満ちた世界に私を解き放ってくれた。その驚きを閉じ込めたつもり。
クリスマスに欠かせないのは「ディプティック」のキャンドル
WWD:「ディプティック」でお気に入りの香りとその理由は?
スパロー:ロンドン旗艦店の限定キャンドル“107 ニューボンドストリート”。なぜなら、私の故郷を思い起こさせる香りでコレクションを制作するときにずっと焚いていたから。
WWD:世界各地のイベントではフェルト作品が完売するほどの人気だが?
スパロー:特に1950年代初期のレトロなものから80年代のテクノカラーのパッケージまで、アメリカのブランドデザインの進化に影響を受けている。中でも、カラフルなラベルで日々の生活に欠かせない洗剤に夢中。自分のインスタレーションを通して、多くの人が特定のブランドや製品に個人的な関心を示すことに気づくようになった。おそらく、子どもの頃に買ってもらったお菓子や初めて味わったビールとか・・・・・・。それが私にとってのインスピレーション源。クリエイション過程で生まれる会話やエピソードは大好きだ。自分の作品が、人々を日常生活から離れた場所に誘うことができること願っている。