長瀬智也氏がバガーレーサーで公式戦デビュー! 日本初のバガーレースを実現した熱き想いを語る
本来レースで必要のないバッグの中には「愛がつまっています!」
とは言え、バッグをつけた大型ツアラーのレース参戦は前代未聞。長瀬氏の情熱と多くの協力者の理解の下、バガーレーサー初参戦に至っている。 「ハーレーでのレースは、参戦できるカテゴリーがかなり限られていて、その中で今回参戦したMAX10グループは外国車2気筒という条件で出ることができます。ただ、バッグがついているのは、これまでサーキット走行してきた方からするともの凄く邪魔に見えると思います。 見たことのない幅の広さなので、一緒に走る人は戸惑うだろうという話があったのですが、アメリカで成功しているレースだということが後押しになって、レースの時だけはバッグが装着可能になりました。MAX10グループの会長さんのご理解に感謝しています」(西田氏)。 「練習ではバッグを外しているんですけど、今日は初めて装着して走行しました。もちろんバッグを外して走るという選択肢もありました。だけど、アメリカのハーレーダビッドソンという乗り物に魅了されてきた私たちとしては、バッグを外して走ったとしたら、自分だったら悲しむと思います。 それを西田さんたちがサーキットやレース主催者の方と話をしてくれて、実際にバガースタイルでレースができたというのは、本当に色々な方々の“愛”なんだと思います。だからバッグの中には“愛”がつまっています(笑)。そして、興味を持ってもらってバガーレーサーが増えてくれることも楽しみにしています」(長瀬氏)。 バガーレーサーを日本に持ち込んだ長瀬氏も熱く語った。
エンジンは2100ccにボアアップし車体も徹底改良
長瀬氏が乗車したハーレーのFLTRX-ST(ロードグライドST)レーサーは、排気量を128キュービックインチ(約2100cc)にボアアップし、カムシャフトは低中回転重視のステージ1仕様を投入。最高出力は後輪で120PSをマークし、重量級の車体をレースでも加速させるようにしている。 シャーシは、ステムやスイングアームはKENS FACTORYとJOYRIDEで開発したアルミ削り出しパーツを装着し、モディファイしたオーリンズ製サスペンションで姿勢を調整。アメリカ発祥のバガーレーサーを国産パーツも組み込んで製作することもコンセプトとしている。 今回は初のレース参戦で、エンジンがラバーマウントされていることによる車体挙動が課題になった模様。次戦11月の筑波サーキットに向けてセットアップを進めつつボディにはペイントが施され、より完成度がアップするだろう。日本独自のバガーレーサーの進化に期待だ。