岡田将生、どうか結婚しないでほしい…。独身俳優・最後の星、意外なハマリ役とは? 役者としての稀有な魅力を徹底解説
2024年は岡田将生にとって”働く年”
「僕の一番の幸せは何か、先ほどの裁判で考えました。毎朝、目が覚めたときに寅子さんが隣にいたら、幸せだろうなと思いました」 最終回を迎える、朝ドラ『虎に翼』(NHK総合)の星航一役は、先述の人物同様、偏屈ではあるけれど、プロポーズがとてもロマンティックだった。が、主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)との結婚にあたって、思い悩んでいた。両家の家族問題、寅子の改姓など、切っても切っても生えてくるミミズや植物のような難題の連打。ついには自分が佐田家に婿入りするとまで宣言。結果、事実婚として事なきを得た。 偏屈で色男。そんな存在を演じさせたら岡田将生の専売特許なのだろうか。なぜそう思ったのか理由はいくつかある。 まず今年は岡田将生本人の露出が非常に多かった。前述の『1122 いいふうふ』『虎に翼』に加えて、『不適切にもほどがある!』(TBS系)、『錦糸町パラダイス~渋谷から一本~』(テレ東系)の出演に映画『ラストマイル』の公開など、彼をずっと見続けている一年間だった。秋からは『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系)の放送も決まっている。マンタンウエブの2024年9月公開のインタビューで、彼はこう語っている。 「全部自分の中で計算しているつもりなんです。この時期にこれが公開され、この時期にこの作品をやるっていうのを自分の中で組み立てていて。今年はいっぱい作品に関わろうと。“働く年”にしたいと思っていました」
独身俳優最後の希望の星・岡田将生
この膨大な露出によって、視聴者側は改めて岡田将生のイケメンぶりに酔った。元々、偏屈な役が似合うというのは『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系、2016)の坂間正和役で知っていたはず。なのに、次々に登場する昨今の若手俳優ブームについ乗っかって、浮かれてしまい、岡田の存在が薄くなっていた。 そして気づけば若手俳優たちは続々と結婚をした。『アタックZERO』のCMキャスティングを見れば分かるように、人気絶頂のうちに“誰かのもの”になっている。 なんだかつまらない。そう思っていた時に35歳・独身の俳優が「そろそろ俺の出番だろうか」と言わんばかりに帝王=岡田が存在を誇示してきた。視聴者は一撃ノックアウトである。そんな俳優が結婚云々の絡んだ役を演じていれば、否が応でも目についてしまう。検索サイトで彼の名前を入れると、サジェストに「結婚」の2文字が現れるのもその影響だろう。 今回の「岡田将生はなぜ結婚に思い悩む役を多く演じるのか」というテーマは、女性ファンの行き場のない期待と(本当に結婚したらどうしよう)不安が象徴されたコラムである。裏を返せば「岡田将生、どうか結婚しないでほしい」。僭越ながら私が代表として、一筆取らせていただきました。 【著者プロフィール:小林久乃】 出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にて作家デビュー。最新刊は趣味であるドラマオタクの知識をフルに活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディア構成、編集、プロモーション業などを生業とする、正々堂々の独身。
小林久乃