日本人が驚く、フランス人の「質素」な朝ごはん。塩分を好まず、クロワッサンを毎日食べない意外な理由
日本の朝食は、ご飯にみそ汁、食パンに目玉焼き……と、バリエーションが豊富です。主食+おかずとバランスよく構成されているのも特徴の1つでしょう。しかしフランスの場合は簡単&質素で、朝食に全く手間暇をかけません。 【写真を見る】フランス人の「質素」な朝食メニュー 基本的には火を通さず、サッとテーブルに並べられるものばかり。しかもジャムやチョコレート・ペーストなど、甘いものを好んで食べる習慣があります。
◆ジャムやバターを塗ったバゲットを「カフェオレに浸して」食べる
では実際に、フランス人は何を食べているのでしょうか。 伝統的に多いのは、トーストしたバゲットにジャムやバターを塗る「タルティーヌ」という朝食です。用意するバゲットは、前日の夕食で残ったもの。バゲットの代わりにパン・ド・カンパーニュを使う家庭もありますが、日本のような食パンは朝食ではほとんど見かけません。 さらに、フランス人はジャムやバターを塗ったバゲットを「カフェオレに浸して」食べます。コーヒーが苦手な人は、牛乳にココアパウダーを混ぜたものを。ということで、どの家庭もカフェオレボウルを常備しています。もちろん、カフェオレにパンくずが浮かんでいてもまったく気にしません! ジャムの消費スピードも、日本よりだいぶ早め。スーパーにおけるラインアップも豊富で、「キウイ」「フランボワーズ」「栗」のジャムなど、日本ではあまり見かけない種類がたくさん置かれています。 卵焼き、ウィンナー、鮭……といった日本ではおなじみのおかず類も、フランスの朝食シーンには皆無。基本的に朝はキッチンに立つ時間を限りなくゼロに近づけるので、料理しなくて済むものを選びます。そのため、朝食のほとんどが1品か2品。2品といってもパンにヨーグルト、とかなり簡単な内容です。
◆フランス人は、クロワッサンを毎日食べるわけではない
フランスの朝食といえばクロワッサンのイメージがありますが、実際のところは毎日食べるわけではないようです。食べるとしたら週末や、離れて暮らす家族が集まったとき。スーパーではなく、できるだけパン屋のおいしいクロワッサンを選びます。 たまにしか食べない理由は、クロワッサンにバターがたっぷりと使われているため。パン・オ・ショコラも同様で、毎日食べるには高価で高カロリーだといわれています。フランスの人々は糖質に寛容でも、脂質には厳しいようですね。 ただ、若い世代は伝統的な「タルティーヌ」から、シリアルやたんぱく質の豊富なヨーグルトなどに朝食を置き換えています。特に首都のパリでは健康志向の人が多いため、オーガニックカフェを中心にヘルシーな朝食メニューが置かれるようになりました。 一方でどの世代でも共通しているのは、「塩気のある朝食を好まない」ことです。オムレツやハムといったおかずを食べるとしたら、それは旅行先でのみ。「仕事のことを気にせず、バカンス中にゆったりとした気持ちで楽しみたい」とのことです。