「世界的企業に成長させた原動力と言っても過言ではない」…元執行役員が見た"ユニクロの仕組み化"すごい効果
■「ビジョンをつくる」1割、「仕組みをつくる」9割 当然、実現するためには商品開発、生産、物流、全てを変えることになります。サプライチェーンを大改革する巨大プロジェクトです。これは全社レベルでの「変革」ですが、ユニクロでは地域や店舗、店舗の特定の売り場で毎日のように「変革と創造」が繰り返されています。 私は教育・人材育成という切り口でユニクロの現場で仕組みをつくり、そして広げる役割を担ってきました。本書では、仕組みづくりのノウハウを含め、私の経験・知見と社員へのインタビュー、公開情報に基づきお伝えします。 リーダーの本質は「ビジョンをつくる」ことと「仕組みをつくる」ことです。それに尽きます。それ以外のことをやる必要はありません。ウェイトで言えば「ビジョンをつくる」こと1割、「仕組みをつくる」こと9割です。 カリスマ性がなくても、リーダーシップを発揮するのが苦手でも、問題ありません。経営者や、経営者を目指すみなさんに求められているのは、仕組みづくりです。仕組みづくりは誰でもできます。最も重要なのは、仕組みをつくろうとする姿勢と要諦の理解です。それでは一緒に仕組みづくりの要諦を、ユニクロの仕組みを題材に見ていきましょう。 ---------- 宇佐美 潤祐(うさみ・じゅんすけ) UNLOCK POTENTIAL代表取締役CEO 東京大学経済学部卒業。ハーバード大学ケネディ大学院修了(政策学修士)。アーサー・D・リトル経営大学院修了(経営学修士、首席)。 1985年に東京海上に入社。米国留学を経て、戦略コンサルティング業界へ。ボストン コンサルティング グループ(BCG)ではパートナー、組織プラクティスの日本の責任者を務め、Organization Practice Awardを受賞。その後、シグマクシスを経て、2012年から2016年の間、ファーストリテイリングの経営者育成機関FRMIC担当役員を務めた。その後アクセンチュアの人材組織変革プラクティスのジャパン全体の責任者を経て、リード・ザ・ジブンを起点にした人材組織変革を手掛けるUNLOCK POTENTIAL(「人と組織の可能性を解き放つ」の意味)を設立。デジタルトランスフォーメーションにともなう人材組織変革、経営者人材育成、経営チーム変革、組織風土変革、新規事業創出等のコンサルティングおよび研修・講演を行なっている。 ----------
UNLOCK POTENTIAL代表取締役CEO 宇佐美 潤祐