最終決戦を描く『劇場版 ACMA:GAME 最後の鍵』。佐藤東弥監督が海外撮影秘話や見どころを語る
カンボジアでの撮影で壮大なスケールを実現!
ーー撮影はカンボジアを中心に行われたそうですが、ロケ地をカンボジアに決めた理由とは? また、物語の舞台が海外だからこその注目シーンはありますか? 映画の舞台は、“悪魔の鍵”の発祥の地であるキルタン王国。映画ならではのスケール感を意識しつつ何カ国かロケハンに行ったのですが、 カンボジアは古代遺跡が多く作品の世界観に合うなと感じて、カンボジアでロケを敢行しました。 カンボジアは長く内戦で苦しんだ国であり、内戦を経験した方の話を伺ってみると、今作を通して伝えたいテーマに近いものがあって。やはり多くの人が傷付く争いはなくなってほしいし、平和な世界であってほしい。カンボジアでロケを行ったことでそうした願いがより作品に内包できたのではと思います。 また、物語が世界規模になり、間宮くん、田中くん、古川さんは外国語を話すシーンもあります。間宮くんはクメール語を習得してくださったのですが、話す芝居自体がとても上手。言語がわからない僕からしたら、 全てが完璧に聞こえましたね。ドイツ語のセリフに挑戦した古川さんは、発音が本当にキレイでした。田中くんは、スペイン語のセリフに苦労されていて何回か撮り直したので、撮影後には「あぁ、終わった!」とやり切った様子でしたね(笑)。映画ならではのシーンとなっているので、ぜひ注目してみてください。 ーー本作の最大の見どころである、究極の頭脳戦×極限の心理戦ד悪魔の力”を駆使した究極のデスゲーム。最終決戦の見どころとは? 照朝は父の遺言通り、欲望の元凶となる“悪魔の鍵”を全て破壊しようと、人間が実際の駒となり、人類の存亡かけた極限のサバイバルゲーム『冥王剣闘士(ザ・グラディエーター)』に挑みます。 ただ、世界を救うためには、ある残酷な決断をしなくてはいけない。一番の親友である初は、照朝が決断できないことをわかっていて背中を押すんですよね。また、傷ついているはずの潜夜もクールに背中を押す。 そして照朝が、『アクマゲーム』を仕切る悪魔“ガド”に対してあるセリフを言うのですが、それがこの作品の見どころでもあります。 僕は照朝がそのセリフを言うために、ドラマと映画があったのだと思っていて。きっと間宮くんもそこにかけていたと思うし、 ゲームに挑む5人それぞれが集中した芝居で思いをぶつけてくれて、仲間を思う気持ちや友情が伝わるとても印象的なシーンになりました。 追い詰められたとき、仲間の絆はどう試されていくのか、緊迫した頭脳×心理バトルにぜひご注目ください。 ーー最終決戦以外には、どんな『アクマゲーム』が登場するのでしょうか? また、新たな『アクマゲーム』の撮影で苦労したことはありますか? 映画には、5文字で好きな能力を定めて相手の的を射る『五字戦闘(ファイブスペルサバイバル)』、 爆発物を載せた車に乗りながら相手のウソを見破る『落下真偽心眼(ダウントゥルーオアフォールス)』など、単なる頭脳戦ではない新たな『アクマゲーム』が登場します。 『五字戦闘』は照朝と光輝が銃や剣で戦うのですが、映画となると、僕も銃撃戦を撮りたくなるんですよね。 間宮くんも金子さんもアクションが上手なので、楽しんで体を動かしてくれました。『落下真偽心眼』では、鍵の力で人類を支配しようとするグングニルの幹部・崩心(小澤征悦)と照朝がカーチェイスをしながら心理戦を繰り広げます。 撮影のために公道を封鎖したのですが、実は天気の都合で全然撮影ができなくて、撮影に至るまで半年もかかりました(笑)。迫力満点の肉弾戦は映画ならではなので、 そこもぜひ楽しんでいただきたいですね。
室井瞳子