SNSなどでも株価が変動 「適時開示」以外にも注意したい情報源とは?
うわさ話だけとは限らない「SNSへの書き込み」
8月14日、「ピーシーデポコーポレーションから高額な解約料を請求された」という書き込みがSNSにあり、それに反応するように、同社の株価が下落しました。12日の同社株式の終値は1450円でしたが、下がり続け、9月14日には625円まで値を下げることとなりました。 SNSが株価に大きな影響を及ぼした事例といえますが、SNSを通じて同社のブラックなイメージが拡散した結果、同社の株価が下落することになった、というわけではないと思われます。マイナスな情報がSNS上で流通している企業はほかにもありますが、そうした企業の株価が、ピーシーデポコーポレーションの株価と同様に変動しているわけではありません。個人投資家が多数派の新興市場ならばいざ知らず、ピーシーデポコーポレーションが上場している東証一部市場でイメージだけで株価が大きく変動するとは思われません。 高額な解約料が問題とされた同社の「プレミアムサービス」という事業は、同社の業績向上の牽引役だったのですが、そのビジネスモデルに問題があるということに、今回の件で投資家が気付かされたのです。 同社が8月17日に開示した「弊社プレミアムサービスご契約のお客様対応に関するお知らせ」の添付資料にも同事業の料金体系が記載されているのですが、短期間で解約すると、高額な解約料がかかってしまう(利用しない場合でも、すぐにはやめられない)サービスなのです。そうした事業の将来性に疑問符が付されたのでしょう。 ピーシーデポコーポレーションの株価の変動にはそうした要因があり、SNS上のすべての情報に株価が反応するわけではないことに注意する必要があります。 ピーシーデポコーポレーションの株価
鵜呑みにせず、内容を精査すべき「空売り投資家のレポート」
「会計不正の番人かオオカミ少年か-空売り投資グラウカス日本進出どう見るか」で取り上げた米国のグラウカス・リサーチ・グループ(以下「グラウカス」といいます)は7月27日、伊藤忠商事の会計処理に関するレポートを発表しました。 これに対して、伊藤忠商事は7月27日に「当社の会計処理に関する一部報道について」と「当社の会計処理に関する一部報道について(その2)」を、8月1日に「当社の会計処理に関する一部報道について(その3)」を開示し、グラウカスに反論しました。