「65歳までに1,000万円」&「利回り4%の高配当株」のセットで“平均的な老後生活”を手に入れる方法【経済誌元編集長が解説】
トップ企業ならROE、ROAなどをクリア
私たちが知っておくべきは、株式投資したおカネが年間の配当金でどのくらいの利益を生み出すか(=配当利回り)という投資尺度だ。 この「利回り」というものは金融商品に共通の尺度だ。配当利回りが債券利回りや預金金利に比べていかに有利か、不利かを知っておけばよい。配当利回りが高ければ株式投資に資金を振り向け、配当利回りが低ければ株式投資から資金を引き揚げて、別の有利な金融商品に投資すればよい。 株式の値上がり益は、「おまけ」、あるいは「臨時ボーナス」程度に考えておけば、投資で大やけど(大幅な損失)を被ることはない。株価の変動に惑わされて、短期売買を繰り返すことがないからだ。 こうした見方に対して、「株式の値下がりリスクはどうしてくれる」という反論があるかもしれない。 しかし10年単位の長期投資、つまり配当を取りながら10年間、株を保有し続ける投資では、そうした値下がりリスクは無視してよい。それでも経済は生き物だ。何が起こるかわからない。それだからこそ、有能な人材がそろっていて経営体力のある業界トップ企業に絞って投資するのである。 どの業界でもトップ企業は、ROE、ROA、CF、PBR、PERなどの数値は、ほとんど合格の水準に達している。業界のトップ企業なら、個人投資家は『会社四季報』を購入し、時間をかけてこうした数値などいちいち調べる必要はない。 もし収益性や財務の健全性で重大な疑義があれば、証券のアナリストや経済記者が素早く嗅ぎつけて、すでに警鐘を鳴らしているはずだ。 トップ企業ほど「炭鉱のカナリア」が多くいる。高配当利回りの業界トップ企業へ長期投資することは、個人の投資家が、最少の努力で、最大のパフォーマンスをあげる最良の投資手法なのだ。 川島 睦保 フリージャーナリスト、翻訳家 ※本記事は『一生、月5万円以上の配当を手に入れる! シニアが無理なく儲ける株投資の本』(日本実業出版社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
川島 睦保