阿炎、琴桜を土俵際から逆転!優勝争い残った きょう大の里破り優勝決定戦で22年九州場所の初V再現狙う
◆大相撲 ▽夏場所14日目(25日、東京・両国国技館) 関脇・阿炎が2022年九州場所以来、2度目の賜杯に望みをつないだ。3敗でトップタイだった大関・琴桜を土俵際からの逆転で押し出し、4敗を死守した。千秋楽は単独先頭で3敗の新小結・大の里との一番が組まれた。再び首位を引きずり降ろし、大逆転Vを狙う。賜杯の行方は3敗の大の里、4敗の琴桜、大関・豊昇龍、阿炎、平幕の大栄翔に絞られた。 【夏場所】番付&星取表 自らの力で優勝に望みをつないだ。1差でトップを走っていた大関・琴桜との結びの一番。阿炎は立ち合いで突っ張ったが、相手がひるむことなく前進。土俵際まで追い込まれた。それでも必死に相手の右手をたぐって背後をつき、形勢逆転。強烈なのど輪と腹を突いて押し出した。「しっかり体が動いて良かったと思います」。7連敗中と苦手にしていた相手から白星をつかみ、4敗を死守した。 初Vの再現だ。千秋楽は1差で首位の大の里と直接対決。最大で4人による優勝決定戦にもつれ込む可能性がある。初賜杯を手にした22年九州場所では、先頭を走っていた高安を本割で引きずり降ろし、三つどもえの決定戦では高安、貴景勝に連勝し賜杯を手にした。優勝争いについては「相撲でいっぱいいっぱい。意識はない」と、まずは目の前の一番に集中。その先に今回も大逆転での賜杯を狙う。 10日目から5連勝と上昇気流に乗り、10勝目をマーク。三役では自身初となる2ケタ白星を挙げ、大関取りへの起点とした。「(上の番付への思いは)みんなが持っているもの」と見据える。次期大関候補とされながら、右肘や左足の故障などに苦しんだ。一時は平幕中位まで番付を下げたが、再浮上してきた形だ。 八角理事長(元横綱・北勝海)は「千秋楽が面白くなってきたのではないか」と語った。2度目の賜杯なら昨年12月に他界した先代師匠(元関脇・寺尾)への最高の手向けとなる。あだ名だった「アビ」に漢字を当てたしこ名を背負う弟子は「集中しないといけない」と決意。大逆転Vをかけ、まずは本割に全精力を注ぐ。(大西 健太)
報知新聞社