じわじわ値上がり中!! アルファ166買うなら今説
■166から垣間見えるイタリア車らしさ
性能面では、正直なところ特筆すべき要素に乏しい。2.5リッターV6エンジンは最高出力190psと、同クラスではやや物足りない数値。3.0リッターV6も226psと決して低くない出力を誇るものの、官能的なエンジンサウンド以外にこれといった特徴を見出しづらい。 FFレイアウトを採用しているため、ライバルのドイツ車のような軽快な操縦性も期待できない。 特に都市部での取り回しには慎重さが求められる。狭い道での旋回時には、まるでトラックのように大きく膨らむ軌道を描かざるを得ず、周囲から「運転が下手なのでは?」と誤解されかねない場面すら経験することになる。 しかし、こうしたネガティブな要素を列挙してもなお、166には魅惑的である。デビューから25年を経た今、本車は既に"ネオクラシック"の領域に足を踏み入れつつある。 そう考えると、上述した欠点はもはや些末な話に過ぎない。実際、中古車市場での評価も上昇傾向にあり、良好な状態の個体であれば100万円台後半で取引されている。 これは数年前と比べても確実な値上がりを示している。
■現在の評価は10年後にはどうなっている?
166は、着心地は決して良好とは言えないものの、見た目は最高にクールな一着の服のようなものだ。 実用性や快適性といった客観的な物差しでは測れない、独特の魅力を持つクルマなのである。時を経るごとに、そのカリスマ性は増しているようにも感じられる。 「不完全さ」こそが、166の魅力を形作る重要な要素となっているのではないだろうか。 完璧を求めすぎないイタリア的な寛容さが、このクルマには詰まっている。 そして、その不完全さを受け入れられる者だけが、真の166オーナーとしての資格を得られるのかもしれない。 そこには、数値やスペックでは語れない、クルマという道具を超えた芸術品としての価値が確かに存在している。