【BCクラシック】フォーエバーヤング猛追も3着 坂井瑠星騎手「ベストは出してくれた」
【サンディエゴ(米カリフォルニア州)2日(日本時間3日)=山口遥暉】ブリーダーズC2日目の諸競走がデルマー競馬場で行われた。日本から12頭が出走したものの勝てなかった。メインのクラシックに出走したフォーエバーヤング(栗・矢作、牡3)は好位から差を詰めたが3着。5月のケンタッキーダービーに続く銅メダルで頂点には届かなかった。ほかではターフのローシャムパーク(美・田中博、牡5)が2着と好走した。 ◇ 持てる力は全て出した。それでも最高峰の頂には届かなかった。世界中の注目を集めたフォーエバーヤングは、3着まで追い上げるのが精いっぱい。坂井騎手は努めて冷静に振り返った。 「勝てなかったことは非常に残念ですが、ベストは出してくれたんじゃないかなと思います。上位2頭が強かったです」 スタートを決めると、鞍上は最内から積極的に促し勝負に出た。地元ファンもどよめく半マイル通過44秒96のハイペースを好位のインでじっとこらえた。勝負どころで内から進出を図り、直線では先行各馬の外へ。ラストはさすがの伸び脚を見せたが、前を行く2頭の姿は遠いままだった。 「力を出し切ったレースだったので、残念ではありますが、すがすがしい気持ちというか、やり切ったなという気持ちです」。白の帽子で祭典へ挑んだ矢作調教師もうなずいた。今春のケンタッキーダービーに続く3着。それでも、当時培った精神力は確実に生きていた。日本よりも間近に感じるファンの熱気に気押されることもなく、「ケンタッキーダービーと比べるとだいぶ落ち着きもありましたし、本当に堂々としていました」と鞍上は実感を込めた。 今回は夢破れたが、まだ伸びしろ十分の3歳馬。トレーナーは「晩成だったリアルスティールの産駒ですし、古馬になってもっとよくなる。非常に強い世代ですが、そのトップに立ちたい」と前を向く。 来春はサウジCやドバイワールドCなど世界のビッグレースを視野に入れる。主戦を務める27歳は「何とかまた戦っていけるように、一緒に成長できたらと思います」と決意した。フォーエバーヤングとチーム矢作の挑戦は、まだ始まったばかりだ。