【ハイライト動画あり】スタジアムを沸かせるも勝利は遠く。JAPAN XV、マオリ・オールブラックスに完敗
28分、36分にもインゴールに入った。両方の得点シーンは、JAPAN XV陣に入ってすぐに攻め切ったもの。17-5とリードを広げて前半を終えた。
漆黒のジャージーは、後半も決定力が高かった。
3分、マオリ・オールブラックスはPKを得てのゴール前でラインアウト。モールを組んで圧力をかけた後、SHサム・ノックがショートサイドで呼ぶWTBベイリン・サリヴァンへパスを送った。5点追加。22-5と差を広げた。
21分、29分と、マオリBKに走られ、さらに2トライを与えたJAPAN XVは、5-36で迎えた後半40分に1トライを返す。
試合を終えたHO原田、SH齋藤の共同主将は、試合後の会見で神妙な表情だった。
原田は「モールとスラムで押す。それがプランで、FWはその準備をしてきました。それを、プライドを持ってやったので、(試合中のプレーの)選択に後悔はありません。あとはエクスキューション(遂行雨力)だけだと思います」と話した。
方向性を信じてプレーしている。ただ、結果がついてこないことに悶々としている。
ジョーンズHCは、スクラムや若いBKの成長(特にFB矢崎由高についてはめざましい成長と高い評価)を認めながらも、冒頭のように結果は受け入れ難いと話し、あらためて自分たちの目指しているものをこう話した。
「我々がやりたいラグビーは、集団としてのスピードを上げる中で、オプションを持ってプレーするスタイル」
はやさばかりを追求しているわけではない。見たいのは、その先にある判断と精度。そして、その結果つかめる勝利だ。
スタジアムを沸かせるだけの試合は、HCも選手たちも求めていない。ファンだって同じだ。
田村一博