そのメッセージを見た塚本は「最終的には自分の売り込みになっているよね」とちゃちゃを入れると、佐藤も「絶対にニュースもあそこだけが使われるもんね」とボヤいてみせて会場は大盛り上がり。

　とは言いながらも「本当にありがたかったよね」としみじみ語った佐藤は、「このビデオも僕らは知らなかったですし、さっきも言っていましたが、ドラマの撮影で忙しい最中に1日だけスケジュールを空けてもらったんですよ。だから時間も優先させないといけないから、ちゃくらい（櫻井）が出るシーンを優先して撮った。それでちゃくらいのシーンを撮り終わったら、監督が『終わったぁ』『休憩だぁ』みたいな顔をしてて。まだオレたちのカットは全然残ってるのに！」とボヤいてみせると、会場は大きな笑いに包まれた。

　森谷監督が「皆さん楽しそうでしたよね」と振り返ると、塚本も「現場の時間も短かったから。話す時間がなくて。お芝居で会話したという感じがありましたね」と述懐。ただし気心知れた間柄ということで、櫻井が現場に来た際には、佐藤、岡田義徳、塚本の3人がかりで「何しに来た」「お前が来る現場じゃない、帰れ！」「なんで引き受けた？」と軽口をたたきながらも再会をよろこんでいたという。

　この日は台風10号（サンサン）の影響で交通機関が乱れたということもあり、舞台のけいこで滋賀県にいたという岡田は欠席。だがどうしても舞台あいさつに参加したいという岡田のたっての希望により、iPadでZoomをつないで参加。「みんなで一生懸命つくった作品なので、こうやって公開を迎えられてうれしいです」とあいさつした。

覆面スタッフの正体は？

　iPadとマイクを手に登壇したのは覆面スタッフだったが、実は覆面をとったその正体が、本シリーズにウエートレス役で出演している女優の安藤玉恵だったことが明らかになり、会場は大喝采。もともと本作の上映を鑑賞するためにプライベートで劇場に来ていたという安藤。「岡田さんは台風の影響で来られなかったわけですが、逆にわたしはその影響で撮影がなくなって。普通に初日を観に来て、ちゃんとムビチケ（前売り券）を買って。これから（別のスクリーンで次の回を）観ます」とその理由を話すと、会場も大盛り上がり。 　そして舞台あいさつ中盤、いよいよ安藤が鑑賞する予定の回の上映時間が近づいてきたということで、「勤続20年、ウエートレス朝倉役の安藤です！　今回映画を観ていただいたということで、（とある）過去がありました。スッキリした気持ちでおります」と呼びかけると、「わたしはそろそろ……」というや、映画を鑑賞するために別のスクリーンへと移動していった安藤に会場からは大きな拍手が送られた。佐藤たちも「救世主だよね」と笑いながら安藤を見送るなど、「THE3名様」らしいワチャワチャとした舞台あいさつとなった。（取材・文：壬生智裕）

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