【アスクルのBtoC】利益重視で「LOHACO」は売上2割減も2期連続の黒字
アスクルの2024年5月期連結業績によると、BtoC事業の売上高は前期比15.8%減の532億3000万円、営業利益は同20.5%減の2億円だった。
連結業績は売上高が前期比5.6%増の4716億8200万円、営業利益は同16.0%増の169億5300万円、経常利益は同15.4%増の166億7700万円、当期純利益は同95.6%増の191億3900万円。
BtoC事業の売上高は前期比で減収だったものの、2024年3-5月期(第4四半期)はLINEヤフーとの販促連携が奏功し、増収に転じている。営業利益は限界利益率の改善で、2期連続通期黒字を達成した。
「LOHACO」の2024年5月期売上高は、前期比21.7%減の361億円だったものの、2億円の営業黒字を計上した。
BtoBとBtoCを融合し、BtoB事業で扱うコストパフォーマンスの高い大容量品などの「LOHACO」での販売、組織・機能の融合によるオペレーションの低コスト化、「LOHACO by ASKUL(LOHACO本店)」と「LOHACO Yahoo!店」の統合による顧客の利便性向上など、継続的な営業利益創出のための収益力強化を進めてきたという。 今期(2025年5月期)から事業セグメントの開示を見直す。eコマース事業の売上高は前期まで、BtoB事業とBtoC事業のセグメントだった。これを今期から「ASKUL事業」「LOHACO事業」「グループ会社等」に3区分し、それぞれ営業利益を開示する。BtoC事業を構成していたチャームの事業は、「グループ会社等」に移る。
こうした事業セグメントの開示見直しは、商品開発、組織、物流設備などでBtoB・BtoC事業の融合を進めた結果、垣根がなくなってきていることと、全体の利益成長を重視するためとしている。
「LOHACO事業」は顧客数の増加を成長基盤に据える。消耗品だけでなく生活雑貨や日用品カテゴリーの品ぞろえ拡充、オリジナル商品を強化する。UI/UXの改善・進化も進める。パーソナライゼーションの強化、手頃な価格や購入単位の設定、梱包や配達品質の向上、アプリの動作改善などを見直す。LINEヤフーとの販促連携では、「LYPプレミアム」会員に向けた販促も強化する。 2025年5月期の「LOHACO事業」売上高は前期比4.8%の378億円を見込む。