実は離職の一因? 経営層も女性も知っておきたい「男性更年期」の事実
長内執行役員も同意見だ。「特に落ち込みやイライラなどメンタル面の不調は、一歩間違うと『自身の性格に起因する話し』になってしまう。そうではなく、誰にでも起こりうる症状だと理解すると、気持ちが楽になるという人が目立ちます」。
男性更年期の認知が低いせいで、「原因が分からず」「誰にも相談できず」、不調の沼で苦しんでいる男性が多いのではないだろうか。前述の労働政策研究・研修機構の調査によると、「職場で求められる更年期の取り扱い方」として、男女ともに最も多かったのが「症状や対処法について理解できる研修」だった。
【更年期の職場における取り扱い方への希望】
さらに、男女に共通する希望として「職場において直属の上司に相談できる環境」も上位に上がっている。これは今後、マネジメント層の課題となるかもしれない。
「マネジメント層はもちろんですが、若手や女性も含めて、周囲の理解があることも重要だと感じます。女性と同じように、男性にも特有の悩みがあると知っていただき、お互いにサポートしあえる環境が理想ではないでしょうか」と、長内執行役員は話す。
まずは該当世代の男性が更年期か否かを知る手がかりとして、別記事でチェックリストを作成した。さらに、辻村教授に聞いた、クリニックにおける治療法や生活習慣のアドバイスも記したいと思う。当事者である男性はもちろん、家族や同僚の不調が気になる女性も、ぜひチェックしてみて欲しい。