スポーツをしていた人が「人生」という試合会場でも強い納得の理由
文化としての豊かさは共通しているからだ。人の豊さと、ものの豊かさだ。 文化と文明。さらに視点を広げれば、文明を生み出しているのは人だ。人の営みや人の豊さは、そこからも参考にできるものがあるのだ。それが真の文武両道にほかならない。 ● 非認知能力の価値を知る人は 人生という「試合会場」でも強い 三菱総研の「FLAP人財」(編集部注:FLAPとは、「Find(知る)」「Learn(学ぶ)」「Act(行動する)」「Perform(活躍する)」の頭文字を取ったもの)の考えの背景に、スポーツ界のアスリートたちは「FLAP」しているし、いつも無意識に「Find」を習慣化しているのではないかという仮説がある。スポーツ界の「FLAP」をビジネス界に活かす試みだ。 「AthleteFLAPSupport(通称AFS)」というプロジェクトが三菱総研内に立ち上がり、そのアドバイザーとしてわたしも関わらせていただいている。また、わたしが代表理事を務める「一般社団法人Di-Sports研究所(通称Di-Spo)」は、非認知脳の高い「FLAP」している日本代表のアスリートたちとともに、「機嫌がいい」を子どもたちに伝える「ごきげん授業」をアスリートごきげん先生として行っている。全国の小中学生を対象に非認知性を育む「ごきげん授業」だ。今現在44名のアスリートたちがいるが、みな競技成績は日本のトップだが、同時にセカンドキャリアも成功している。 アスリートのころから自身を「内観」し「insidefocus」する非認知能力としての「Find」を磨いてきたからこそ、スポーツはもちろんどこに行っても「FLAP」していけるのだ。 スポーツも教育もそしてビジネスも、人間にとって必須の「非認知能力」を必要としているし、その価値を知りスキルとして学んでいる人たちは、「人生」という試合会場でも強い。 しかし、スポーツでも「LAPER」はいるし、Fどころか何も考えずに、「はい」と「すみません」「気合いだ」で今もスポーツをしている環境も日本には存在している。スポーツ界もまだ発展途上だといえるかもしれない。スポーツも、ビジネスもそして教育の世界も「機嫌がいい」を大切にできる豊かな社会になってほしい。
辻 秀一