料理家・今井真実さんが”びっくりする程おいしい“と絶賛!映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』物語の鍵を握る「オカ」って?【ミニレシピ付き】
ココナッツクリームとはココナッツミルクの缶詰を開けた時に沈澱している塊です。あれとお魚なんてちょっと想像もつきません。えーっでも、あんなに不機嫌だったロンゲンが感動するくらい美味しいのか……もうちょっと料理をアップしておくれよ! これは、調べないと!と、一旦深呼吸して自分を落ち着かせ意識を映画に戻しました。
「勝ち」と「負け」って一体何? 私はどう勝ちたいのか、どう負けたいのか
実を言うと私はスポーツ観戦が苦手です。それは応援しているチームの勝敗で自分の感情が浮き沈みするのが耐えられないから。勝者がいたら敗者がいる。その事実もいちいち受け止め切れないのです。きっと、最後にちゃんと試合というものを見たのは仰木監督のオリックス時代かもしれません。イチローや田口選手がまだいた時代です。 ですので、スポーツ映画もあまり好んで見ることはありません。本音を言うと、この『ネクスト・ゴール・ウィンズ』も少し身構えながら臨みました。しかしこの映画の根底に流れているムードは、戦いとは程遠いハッピームード。ユーモアに溢れ、終始くすくすと笑ってしまいます。太陽はさんさんと輝き、海は美しく、人々は優しさに溢れています。奇抜なよそ者に対してもそういう人なのね、と受けとめます。 もちろんサッカーが主題ではありますが、この映画では人々の生活やサモアの教えについて深く描かれています。選手はフィールドで戦うアスリートですが、すべての人には試合後に私生活があり人間関係があります。サッカーをプレイするというのはその人の一部の姿でしかありません。 「勝ち」と「負け」って一体なんでしょうね。サッカーであれば、明確にゴールにボールが入れば点が入ります。でも、コンディションが悪ければ? そのときお腹が痛かったら? 失恋をしていたら? 風がずっと一方向に吹いていたら? そして、その勝ち負けに対しての評価は、選手だけでなく監督に及びます。勝者と敗者に分かれる試合に臨むと言うことは、その不運さえも受け入れること。もしくは強い心を持ち、ひたすら自分と向き合うことかもしれません。勝つためにはどんな努力が必要なのか、負けないためにはどんな訓練をすればいいのか。自分の持っている問題から目を逸らさず、どういう自分でありたいのか、どういう価値観で生きていきたいのか。どう勝ちたいのか、どう負けたいのか。