映画「八犬伝」を観賞 267人が特別試写会で 館山(千葉県)
館山市の県南総文化ホールで14日、25日に公開を控えた映画、「八犬伝」の特別試写会が行われた。抽選で招待された267人が、南総里見八犬伝を実写化した迫力ある作品を楽しんだ。上映後には曽利文彦監督の舞台あいさつもあり、貴重な製作エピソードなどに耳を傾けた。 館山市にゆかりのある里見氏や、南総里見八犬伝を観光資源として活用し、地域経済の活性化を目指す「里見のまちづくり実行委員会」が、映画・八犬伝との提携事業として実施した。 同映画は、南総里見八犬伝の実写ストーリーと、作者である滝沢馬琴の八犬伝執筆への情熱を、葛飾北斎との交流を交えて描いたストーリーが交錯し、同時展開していく内容。実写場面は馬琴の小説を忠実に再現したという。 上映後には曽利監督が登壇し、製作に当たって館山城でロケハンを行ったことや、八犬伝博物館内にあるジオラマ展示などから作品へのヒントを得たといったエピソードを語った。劇中には、それらが反映されたシーンが所々で表れている。 曽利監督は「安房が舞台の八犬伝。安房の皆さんに楽しんでもらえたらうれしい。また、地元の皆さんが映画を応援してくれることで多くの方々が注目し、安房も映画も盛り上がってくれたら」とコメント。同実行委員長を務める上條長永館山市観光協会長から、花束と房州うちわの贈呈も行われた。 観賞を終えた30代女性は「物語を描く側と、物語の内容が同時進行するという新しい感覚の作品で楽しめた。劇中には安房という言葉が所々出てくるので親近感がわいた。もととなった小説も読んでみたい」と感想を話していた。