1974年の女性殺害事件、50年後に容疑者見つかる 米
(CNN) 米ウィスコンシン州の捜査員らが今週、遺伝子系図を駆使し、50年間未解決だった事件を解決した。1974年に遺体で見つかった女性を殺害した容疑で、ミネソタ州に住む84歳の男を逮捕した。当局が明らかにした。 ダン郡保安官事務所によると、メアリー・K・シュライスさん(享年25)は74年2月15日、ウィスコンシン州スプリングブルックの交差点で遺体で発見された。当局は殺人事件と断定。初期段階の捜査から、シュライスさんはシカゴで開催中の美術展覧会へヒッチハイクで向かおうとしていた際に殺害されたことが分かった。 ダン郡の保安官は、今月7日にミネソタ州オワトナのジョン・ミラー容疑者を逮捕したと述べた。シュライスさん殺害への「関与を認めた」という。ミラー容疑者は現在同州で拘束中で、ウィスコンシン州への移送を待つ状況だという。 保安官は8日の記者会見で、同保安官事務所が遺伝子系図を使って事件を解決したのは今回が初めてだと明らかにした。 過去数十年にわたり、多数の法執行機関から本件に割り当てられた捜査員らは様々な手掛かりを入手。事情聴取も行ってきたが、「有力な」容疑者を特定するには至っていなかった。 証拠の検証も長年繰り返されたが、保安官事務所は近年になってニュージャージー州ラマポ大学の遺伝子系図チームと協力。遺伝子にまつわる証拠から、ミラー容疑者の割り出しが可能になった。 法医学遺伝子系図学を駆使すれば、未解決事件の手掛かりが得られる可能性がある。司法省によると、これは従来の家系図調査にDNA分析を組み合わせる手法だという。 会見に出席した捜査員2人によれば、犯人の特定を受けてシュライスさんの家族と話をしたところ、家族は安堵(あんど)の気持ちを表明し、捜査への感謝の言葉を述べたという。 解決につながったDNAの証拠の詳細は、ラマポ大学の代表者が改めて会見を開いて明らかにするとしている。 捜査員らは7日に逮捕したミラー容疑者について、かなり落ち着いた様子だったと振り返った。保安官は、50年間殺人の記憶を抱えて生きてきたことを思えば、事件の解決は容疑者にとってさえもある種の安堵をもたらすのではないかとの見解を示した。 この事件を担当してきた捜査員や前任の保安官の多くは既に亡くなっている。現保安官は、まだ存命のかつての同僚たちに事件の解決を報告できるのが「とても喜ばしい」と言い添えた。