ビル火災…上に逃げるか?下に逃げるか? 煙吸わぬよう冷静な判断で避難を
新潟放送
防災士の吉田理彩アナウンサーとお伝えする「防災なび」です。 吉田)きょうは「ビル火災、炎よりも煙に注意?」です。 【写真を見る】ビル火災…上に逃げるか?下に逃げるか? 煙吸わぬよう冷静な判断で避難を 万が一たまたま居合わせたビルで火災に巻き込まれたら、みなさんはどう行動しますか? 焦って正しい行動ができなさそう。 吉田)素早い避難方法やビル火災の特徴について取材しました。 乾燥しがちなこの時期に多い火災。一般的な住宅火災とビル火災とでは違いがあることは皆さんご存じですか?ビルの防災システムを担う能美防災の岡部さんに聞きました。 【能美防災広報室 岡部和貴 室長】「通常のビルが全て危険というわけではないと思います。避難経路がわからなくなってしまったり、避難経路に物が置かれていたり、避難がスムーズにできない場合があると思います」 そして、ビル火災で最も注意すべきなのは煙です。 煙の広がりは炎よりも早く、縦方向に、秒速3メートルから5メートル、駆け足ほどの速さで広がるといわれています。 濃度が高い煙を吸ってしまうと1~3分ほどで気を失い倒れることがあり死に至ります。 2021年に大阪で起きた北新地ビル 放火殺人事件では亡くなった26人全員が一酸化炭素中毒でした。 2021年に起きた建物火災による死亡原因で最も多かったのが一酸化炭素中毒で36.8%、煙を吸って亡くなるケースが多いのです。 やけどよりも多いんですね。 また、煙の温度も高いところで300度から400度まで上がります。 【能美防災広報室 岡部和貴 室長】「姿勢を低くしてなるべく煙を吸わないように心がけてください」 少しでも煙が充満しないように非常口を閉めて避難階段などから逃げることも大事だということです。 そして、ビル火災は上に逃げるべきかそれとも下に逃げるべきか… 煙や炎で、ビル内が充満してしまい階段が燃えていて、地上階まで降りることができない。 すぐ下のフロアが燃えている。といった場合もあると思います。 反対に、上に逃げることが正しいとは限らない場合も。 【能美防災広報室 岡部和貴 室長】「時と場合によると思います。火災の階が下の場合ですと、下からどんどん煙が上がってきたりしますので、上に避難することがいい場合もあります。なるべく火元から離れた場所に避難することが大切だと思います」
避難で重要なのは「火から遠ざかること」「煙を吸わないようにすること」です。自宅がマンションやアパートなどの場合は、どこに何の避難器具があるのかを知っておくことが重要です。 火災報知器や消火器、避難階段、避難はしごなどをどこにあるのか確認しておくと素早い避難が必要になります。
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