すかいらーくが買収の「資さんうどん」、全国進出で丸亀・はなまると〝うどん大戦争〟へ
すかいらーくは買収後に資さんうどんの全国展開を資金と出店ノウハウを提供することで後押しする。実際、すかいらーくは全国に約3000店を運営しており、一部店舗の業態転換も活用しながら出店を加速。資さんうどんブランドの全国的な定着を図り、主力業態の1つに育てたい考え。
■迎え撃つ讃岐うどん勢
こうしたすかいらーくのうどん攻勢を迎え撃つ形となるのが、讃岐うどんチェーン勢の丸亀製麺とはなまるだ。9月時点で丸亀製麺は全国に851店、はなまるは420店を展開。それぞれ新規出店も強化しており、とりわけ丸亀製麺は年60~70店を出店して28年3月期末には1100店体制まで引き上げる計画を描く。丸亀製麺を運営するトリドールホールディングスの粟田貴也社長は今年5月中旬の決算説明会で「25年3月期からは出店加速のフェーズとなる。都市型ビル内などでまだまだ出店は増やせる」とし、出店拡大で成長を加速させる戦略を明確に打ち出している。
これまで資さんは、九州を中心とした展開で丸亀製麺とはなまるとの全面対決は避けられてきたが、関東圏を中心に全国的な展開を加速させていく中で、各地での激突は避けられない。
硬い麺の讃岐うどん勢に食傷気味の消費者を、柔らかい麺の九州うどんの資さんがどこまで取り込めるのか。うどん大戦争の勝負の行方は、消費者の支持をどれだけ勝ち取れるかが大きなカギを握っている。(今井裕治)