国内エンジニアリング企業23年度受注、最高の25兆円。エンジ協会が「24年度白書」公表
エンジニアリング協会(理事長・石倭行人日鉄エンジニアリング社長)は12日、国内エンジニアリング産業の現状分析や課題、見通しなどをまとめた2024年度版の報告書「エンジニアリング産業の実態と動向」を公表した。報告書によると、調査対象企業の23年度の受注高は25兆7793億円(前年度比7・2%増)と2年連続で過去最高を更新した。24年度以降についても緩やかな増加が続くと分析している。 会員企業のアンケート結果をまとめて年1度発行するこの報告書は「エンジニアリング白書」とも呼ばれる。今回はエンジ専業や総合建設系、造船重機・鉄鋼・産業機械系など4業種55社が回答した。 23年度の売上高も22兆8098億円(同9・3%増)と最高を更新した。プラント・施設別受注高では、金額ベースで最大の電力プラントシステム分野が前年度比32・4%増の7兆110億円、2番目に大きい都市開発・地域開発分野が10・3%増の6兆5397億円といずれも二桁の伸びを記録した。全体の10番目にあたる鉄鋼・非鉄プラント分野は同3・1%減の3011億円。マイナスは3年ぶりとなる。 白書では国内企業(回答24社)による海外の資機材調達先も分析。品質や納期、価格などに関する国別総合評価点で、前年度に落ち込んだ中国が再び上昇しており、コロナ禍に伴う中国の供給網混乱が正常化し回復したと分析した。 24年度の受注見通しは前年度比3・7%増と予想。堅調な海外需要を背景に緩やかな拡大基調が続き、25~27年度についても3%程度の増加率を維持するとした。