シュートを放つ福岡のトンプソン

　◆国民スポーツ大会・バスケットボール少年男子決勝　福岡83―60茨城（14日・唐津市文化体育館） 　福岡大大濠高と福岡第一高の選手で構成された福岡が3連覇を狙った茨城を破り5年ぶり11度目の優勝を決めた。 ■その差55センチ…富樫勇樹vsウェンバンヤマが話題【写真】 　U―16（16歳以下）のカテゴリーで2年生以下の下級生のチームだが、三重・四日市メリノール学院中で全国2冠を達成して昨年のU16アジア選手権で日本代表入りした本田蕗以（福岡大大濠高1年）ら実力者がそろう。土浦日大高中心の茨城に第1クオーターこそ11―17でリードを許したが、第2クオーターで逆転。後半も勝負どころで本田がシュートを決め茨城の反撃を突き放した。「ディフェンスから我慢して走りきる展開に持っていこうという共通認識でいきました。相手より内容が上回って勝てたと思う」。福岡大大濠高の監督でもある片峯聡太コーチは2連覇中の相手を倒しての優勝にうなずいた。 　昨年の優勝メンバーで茨城のガード渡部駆流（土浦日大高2年）を抑えた。福岡チームの主将でもあるトンプソン・ヨセフハサン（福岡第一高2年）が徹底マークし、相手の司令塔に仕事をさせなかった。「相手にボールを持たせないぐらいのディフェンスをしろと言われていました。自分が責任を持って守ろうと思ってやりました」とトンプソン。片峯コーチも「相手の4番（渡部）にエンジンがかかりそうな時にトンプソンがついて、相手にブレーキがかかった。彼がチームを勝たせてくれた。間違いなくMVPです」と守備をしながらも20得点を挙げて攻守でチームを引っ張ったトンプソンを絶賛した。 　全国のトップを争う2校の混成チーム。大会前から狙いは優勝だった。堅い守備が持ち味の福岡第一高とパワーとスピードのある攻撃の福岡大大濠高。「逆のチーム同士なので合わせるのに時間がかかったところもあったけど、第一の選手が守備で、大濠は攻撃で頑張って、自分がつなげられたらと思っていた。その通りの試合になりました」。初めての主将を任されてチームをまとめたトンプソンは充実した表情を見せる。 　バスケットボールが地元福岡開催だった夏の全国高校総体では両校とも準決勝敗退。次に目指すのはウインターカップで全国の頂点に立つこと。国スポ優勝で大きな経験と収穫を得た選手たちはそれぞれのチームに戻り先輩たちと頂点を目指す。（前田泰子）