独鉱工業受注、9月は大型受注で予想上回る トランプ関税を懸念
Maria Martinez [6日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が6日発表した9月の鉱工業受注指数(季節・日数調整済み)は前月比4.2%上昇と、市場予想を上回った。 航空機、船舶、鉄道、軍用車両などの大型受注が寄与した。 ロイターがまとめた市場予想は1.5%上昇だった。 大型受注を除くベースでは前月比2.2%上昇。 第3・四半期は前期比4.2%上昇、大型受注を除くベースでは0.6%低下だった。 マクロ経済政策研究所(IMK)のセバスチャン・デュリエン氏は、統計データは対外貿易の循環的回復を示す好ましいシグナルだが、地政学的情勢が回復を阻む可能性があると指摘。「米大統領選でトランプ氏が勝利の見通しとなったことは、ドイツ製造業にとって脅威で、今後数カ月に深刻な後退が起こる可能性もある」と述べた。 VPバンクのチーフエコノミスト、トマス・ギッツェル氏は、トランプ氏が選挙戦中に欧州製品に高関税を課すと公約していたことを踏まえ、海外からの受注が中長期的に打撃を受けるとの見方を示し、「改革、なかんずく新規投資に係る手続き上の障害を減らすことが製造業の回復に急務た」と述べた。 8月分は前月比5.8%低下から5.4%低下に修正された。 コメルツ銀行のシニアエコノミスト、ラルフ・ソルベーン氏は、9月のデータは持続的な回復ではなく「せいぜい安定といったところだ」と述べた。