巨人にマシソン波及効果?プロ野球交流戦の終盤行方を左右するストッパー事情
今日18日からプロ野球交流戦が終盤戦を迎える。ここまでパ・リーグが36勝30敗4分。今年もパが勝ち越しており首位がソフトバンクで最下位が広島となっているが、7試合が延長、5試合でサヨナラ、9回の逆転劇が7試合ありストッパーの出来が勝敗を分けたゲームが少なくない。パでは、交流戦途中にソフトバンクの森、日ハムの秋吉の“両守護神”が故障で登録抹消される非常事態。セでは交流戦2位につけている巨人のマシソンが復活してストッパーの中川をサポートする体制が整った一方で、同8位の中日が16日のロッテ戦で9回に5点差をひっくり返されて逆転サヨナラ負けの悪夢を見るなどストッパーの明暗がクッキリと浮き出た。交流戦終盤と共にペナントレースの行方も左右する各球団のストッパー事情を検証してみた。
対照的な楽天と中日のストッパー整備
ダイエー(現ソフトバンク)時代にストッパー経験もある評論家の池田親興氏は、「セは中日以外は全体的に整備されていてパは楽天以外はどこもまだ不安定な印象」という見方をしている。 「今楽天がパの首位(交流戦5位)にいる理由は、浅村、ブラッシュの加入で得点力が上がったこともあるが、抑えの松井裕樹がしっかりしているので、そこから逆算し中継ぎを整備できているから。今年の松井はフォームが固まりボールが走っている。一方、セでは5位(交流戦8位)の中日が不調の鈴木を登録抹消してから、ロドリゲスーマルティネスの勝利方程式を確立しようとしているが、どうしてもコントロールにバラつきがあるのでマウンドに上がってみないとわからない状況。中継ぎ、ストッパーはマウンドに上がった調子に応じて、どうピッチングをマネジメントするかが重要だが、まだ、そこまでの経験がバッテリーにない。セの最下位ヤクルトも石山が復帰するまで1イニング分を前倒しすることになって、そこが響き連敗を続けた。見事に順位にストッパー事情が反映されている」 表を見てもらえばわかるが、楽天の松井裕は防御率1.53、21セーブのダントツの数字。交流戦での成績も防御率3.00、5セーブだ。4日の巨人戦ではビヤヌエバに痛恨の逆転2ランを浴びて負け投手となったが、目立った失敗は、その程度。 対してセでは、中日で14セーブをマークしていた鈴木が調子を落としてストッパーの座を剥奪され、左腕ロドリゲスー右腕マルティネスの勝利方程式に切り替わったが、そのマルティネスが交流戦では2敗、交流戦防御率は10.80と苦しんでいる。 セ、パで対照的な2チームだろう。 改めてパから見ていくと、交流戦中に緊急事態を迎えたのがソフトバンクと日ハムだ。ここまで19セーブ(防御率2.97)、交流戦ではトップのセーブ数となる6(防御率2.57)の成績を残していたソフトバンクの森が右上腕部辺りを痛めて登録抹消、日ハムも12セーブ(防御率1.69)の秋吉が9日の阪神戦を最後に足に異常を訴え登録抹消された。 「ソフトバンクは、相手との相性と調子を見ながら、その日、その日でやりくりしようというプラン。モイネロには適性があり十分に代役を果たせると思うが、ストッパーは勝ち負けを背負うので、中継ぎとはのしかかってくる精神的負担はまったく違ってくる。日ハムは、そもそも秋吉一人に固定せず、いい状態の選手で回していこうと考えていたチームなので石川直也で代役は務まっている」 交流戦首位のソフトバンクは0.5差で楽天を追うが、ストッパー問題は今後の不安材料。一方、交流戦3位でリーグではソフトバンクと同率2位の日ハムは、新ストッパーの石川直が交流戦ですでに2セーブをマーク。彼は交流戦で中継ぎも含めて交流戦6試合に登板しているが、フォークのキレ、コントロールも抜群で防御率は0.00だ。今後の両チームの争いに影響を与えそうだ。