巨人にマシソン波及効果?プロ野球交流戦の終盤行方を左右するストッパー事情
巨人マシソン復帰波及効果への期待
苦しんでいるのが、4カード連続で負け越している交流戦11位、リーグ5位のロッテだ。益田の交流戦防御率は6.75(全体防御率4.01)で、6日の阪神戦では延長10回に同点で起用され負け投手になった。交流戦では貯金を2つ作りながらリーグ最下位を抜け出せないオリックスも増井が交流戦防御率7.71(全体防御率5.54)と“ストッパー失格”の数字。16日の阪神戦では、フォークもストレートもストライクが入らずに自滅し、2点のリードを守れなかった。同点とされて勝ちゲームをみすみす引き分けにし、試合後、宮内オーナーが増井を名指しで激怒したほどだった。 「増井は日ハム時代も、こういう時期が必ずあって一時的に先発転向した理由にもなった。配置転換をするなら新ストッパー候補は山本だろう。彼なら絶対的な結果を残すと思うが、そうなると先発の軸がなくなってしまう。将来も考えてあれだけの素材を動かすには球団のビジョンも必要だろう。ロッテは適材がいないので益田に頼っているという状況。ベンチも苦しいと思う。また西武は増田を含め中継ぎ陣が手薄。そこは割り切って打ち勝つしかない」と池田氏。 西武も15日のヤクルト戦で、8回に4点差を逆転したが、増田が、その1点にリードを守れず9回に再逆転を許し、せっかくの試合を落としている。不安なブルペンをカバーするためにリードを1点ではなく「2点、3点とっておけ!」ということだろう。 一方、セに目を向けると中日以外にストッパー変更があったのが広島。リーグ首位は守っているが、交流戦では最下位に転落した。チーム打率.205の打線低迷が主な原因だが、こちらも中崎がストッパーから降格。現在、フランスアが大役を任され、交流戦の防御率1.80、2セーブと結果を残している。パに比べると中日以外は、阪神のドリス、横浜DeNAの山崎、ストッパー復帰したヤクルトの石山とストッパーは固定されて安定している。 特に池田氏が注目しているのが巨人だ。 ストッパーの中川は、ここまで防御率1.44、2勝1敗7セーブの成績。交流戦では防御率6.00と打たれ、8日のロッテ戦では救援に失敗したが、池田氏は「ボールに力がある。経験不足だが、度胸を原監督は買ったのだろう。それと好材料はマシソンの復帰。まだ絶好調の域にはないが、彼がセットアッパーにいることで中川の精神的な負担が減ることになる。彼が本調子になってくればいつでも配置転換も可能。問題は、中継ぎのあと1イニングをどうやりくりするか。点は取れるのだから、マシソンの波及効果に注目だろう」という。 復帰したマシソン効果への期待がある。 対照的に不安を残すが、セットアッパーとして防御率0.64、19ホールドを誇り、絶対的な存在だったジョンソンを欠く阪神。 池田氏は「阪神のドリスは常に制球難不安を抱えているが、安定感のある中継ぎのジョンソンが復帰するまでを藤川、能見と島本の両左腕に、小野、守屋らを絡めてどうやりくりするかのベンチ采配が重要」と見ている。 さらに「横浜DeNAの山崎は防御率がいいが簡単にランナーを出すしヒヤヒヤさせる部分がある。これにはチーム状況が影響していると思う。ストッパーは勝ちゲームにしか出ないので、チームに負けがこみ登板間隔があくと、どうしてもこういう状況に陥りやすい」と指摘した。横浜DeNAの山崎は16日のソフトバンク戦で2-2で迎えた延長12回に登板。無死満塁のピンチを作りながら無失点に切り抜けている。 「パは、ストッパー、中継ぎのブルペンをどのチームがしっかりと整備していくかが今後のペナントレースを左右する点になってくる。一方、セの野球の焦点としては、上位チームのストッパーに安定感があるので、先発がいかにゲームを作ることができるのかだと見ている」と池田氏。交流戦も残り2カードで終了。各球団のストッパー事情に注目である。