2025年こそ「引っ張りだこな人」になる!自分のウリを見つける方法
「三省堂 辞書を編む人が選ぶ 今年の新語2024」で「言語化」が大賞に選ばれるなど、「言語化」という言葉を耳にすることが増えた。「とっさの質問にうまく答えられない」「『で、結局、何が言いたいの?』と言われる」「話し方やプレゼンの本を読んでも上達しない」……。そんな悩みを持つ方は、言語化の3要素である「語彙力」「具体化力」「伝達力」どれかが欠けていると指摘するのは、文章や話し方の専門家であり言語化のプロである山口拓朗氏。本連載では、山口氏による話題の書籍「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」の中から、知っているだけで「言語化」が見違えるほど上達するコツをご紹介していきます。 ● 目立たない人でもブランディング次第で引っ張りだこに? STEP3の「伝え方」のところで、2つの言葉を掛け合わせて、魅力的なキーワードやコンセプトを作る方法をお伝えしました。 こうした「企画力」は、実は自分のブランディングにも応用できます。 ● オンリーワンの存在になるには? 精神科医の樺沢紫苑先生をご存じでしょうか。SNSやメールマガジン、YouTubeなどで累計100万人以上に、精神医学や心理学、脳科学の情報をわかりやすく伝えている「言語化の達人」です。 以前、樺沢先生から非常に興味深いお話を伺いました。 先生の名前が最初に世に知れたきっかけは、映画評をつづるメルマガでした。当時、ブログなどに映画評を書いている人は山ほどいました。さて、その中で樺沢先生が頭角を現すことができた理由は、何だったと思いますか? 答えを言います。 それは「精神科医×映画評論家」という掛け算を行なったことで、オンリーワンの存在になったからです。 実際、先生の映画評は説得力が満点です。 STEP2で「具体化する際に便利な思考のものさし」について紹介しましたが、先生もこの「ものさし」をよく使われています。 先生の「ものさし」の中でも秀逸なのが「父性・母性」です。「この主人公は父性(=力強さ)が欠けている」のように見ていくことで、映画の登場人物がなぜそういう発言や行動をしたかがはっきりと見えてくるのです。 たとえば、名作『スター・ウォーズ』は、先生の言葉を借りるなら「父親探し」と「父親殺し」の物語です。 「ものさし」を使った具体化にせよ、2つの言葉を掛け合わせた企画力にせよ、樺沢先生の言語化力は圧巻の一言。 「悩み解消×言語化」の掛け算で企画された先生の著書『言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える』(幻冬舎)もおすすめです。 ● 「掛け算」で希少性を高める 思えば私自身も、この掛け算を使っています。 出版社を辞めて、ブログを始めて数年たった頃。アクセス数がどんどん伸びていき、ブログ読者から「文章の書き方を教えてください」というメッセージが届くようになりました。 それまで、私にとって文章とは「書く」ものであり、「教える」という発想が全くありませんでした。そのメッセージを見てはじめて「そうか、そういうニーズがあったのか」と気づいたのです。 ニーズに応えるべく文章講座を開いたところ、ありがたいことに好評を博すこととなり、今では多数の企業研修を預かるほか、25冊以上の書籍も発行しています。 「文章×教える」という掛け算によって、希少性が高まったことが功を奏したのです。 ● ●1位と2位の強みを掛け合わせると最強! さて、あなたはどうでしょうか。 何か1つのことで抜きん出ることは、なかなか難しいもの。 一方で、2つの言葉を掛け合わせる「◯◯×◯◯」であれば、瞬時にオンリーワンの存在になることができます。 まずは、あなたの強みや特徴を「具体化」して、その中で特に優位性が高い2つを掛け合わせてみましょう。 たとえば、フリーライターのAさん。あまり仕事が取れず困っています。Aさんは無類の映画好きなことを活かし、「映画ライター」と名乗り始めました。ところが、世の中には映画ライターと名乗る人が数多くいるため、なかなか頭角を現すことができません。 そこで、もうひとつ、自身の特徴である「ディズニー推し」という側面を掛け合わせることにしました。 「映画ライター×ディズニー推し」で「ディズニー映画専門ライター」の誕生です。 掛け算をした瞬間にオンリーワンのポジショニングに成功しました。 ディズニー映画は日本でも人気があるほか、定期的に最新作が公開されます。映画メディアの担当者は、どうせ記事を書いてもらうなら詳しい人に任せたい、と思うはずです。 もしAさんが何の掛け算もせず、フリーライターと名乗り続けていたら人生は何も変化しません。「◯◯×◯◯」という言語化に踏み切ったからこそ人生が動き始めたのです。 あなたは何か1つに固執していませんか? 自分の中に隠れている特徴や強みに光を当てて、いろいろと掛け算してみましょう。 *本記事は、山口拓朗著「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」から、抜粋・編集してまとめたものです。
山口拓朗