網走ビール、工場を増強 生産能力3倍 「流氷ドラフト」など年間300万本製造可能に
【網走】網走ビール(網走市)は、同市内に持つ製造工場の生産能力を3倍に増強した。北海道外や海外からの引き合いも強く、生産が追い付かなくなったため。看板商品で青色のクラフトビール「流氷ドラフト」などを年間300万本製造可能となり、設備投資を機に受注製造の強化を含め、販路拡大を図る。
網走ビールは1キロリットルの仕込み釜を所有し、観光地・網走のイメージを生かしたビール11種など年間100万本を製造。コロナ禍で自宅での飲酒機会が増え、道外や東アジア圏でも需要が高まる中、増産が急務だった。 そこで、今月中旬までに2キロリットルの仕込み釜(直径2・1メートル、高さ3・45メートル)1基を増設。2007年にタカハシグループ(同)傘下に入ってから初の取り組みという。従来27基だった最大4キロリットルの貯蔵タンクも7基増やした。総工費は国や市の補助金を含め約2億円。 新設備は年明けにも本格稼働する。網走市のふるさと納税の返礼品で相次いだ品切れの解消を見込む。各地のクラフトビールなどの受注製造にも注力し、売上高に占める割合を現在の1割から2割に増やす方針だ。 長岡拓児社長は「流氷ドラフトは改良を重ね、年々おいしくなっている。新設備を生かし、多くの人に届けたい」と意気込む。