趣里“亮子”が父・古田新太“粒来”の過去に迫る見応えのある展開で浮上したキーワード<モンスター>
趣里が主演を務める「モンスター」(毎週月曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)の第9話が、12月9日に放送された。亮子(趣里)は父の謎が気になり、過去に担当した案件を個人的に調べることに。そこで一つのキーワードが浮上した。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】真剣な眼差しで資料を読む杉浦(ジェシー) ■異色のリーガル・エンターテインメント 本作は、“常識”にとらわれず、“感情を排除”して相手と向き合う得体のしれないモンスター弁護士・神波亮子(趣里)が主人公。時に法が追いついていない令和ならではのさまざまな問題と向き合い、まるでゲームのように法廷闘争に立ち向かう、異色のリーガル・エンターテインメントだ。 物事の本質を見抜き、独自の解釈のもと裁判を掻き回す型破りな“モンスター”だからこそ、人間が訳もなく悪意に満ちてしまう、“モンスター”になる瞬間を見逃さず、冷静に事件を解決に導き、周囲の価値観を覆しながら影響を与えていく。 亮子に振り回されることになる東大法学部卒の若手弁護士・杉浦義弘をジェシー(SixTONES)、失踪中の亮子の父・粒来春明を古田新太、亮子と杉浦が所属する法律事務所の所長・大草圭子をYOUが演じる。 ■亮子は粒来が過去に担当した絵画の案件を調べる 前回担当した事件に関連していたと思われる、闇バイト組織の“キング”と呼ばれた男と粒来の接点が気になる亮子。事務所にあった平成13年の損害賠償請求事件のファイルを確認していた亮子は、仕事を休んで片田舎にある美術館へと向かう。 そこに飾られていたのは、23年前にゴッホの「ひまわり」の連作として世紀の大発見とされるも、やがて贋作ではないかと世間を賑わせた作品。その絵を購入したIT長者に訴えられた画商から弁護の依頼をされた圭子が、元同僚だった粒来に託していたものだった。実は、案件に粒来が携わっているとき、7歳だった亮子も事務所によく来ていたのだった。 本物か偽物か――。IT長者、贋作と断定した芸術大学の教授、絵を持っていた故人の画家と絵画の修復師をしているその妻の思惑が絡み合っていた。「本物でも偽物でも問題ないようにする。この絵のイメージを私が上書きします。新たな価値を作り出します」という粒来によるメディアを使った印象操作で、世間が見る絵の価値は再び上がった。 ところが、その絵の価値が再び上がった直後にIT長者が事故死し、同時に絵を手に入れたときから彼の会社の業績が下がっていたことが判明すると、誰も絵を引き取ろうとせず、“呪いの絵”として価値が一瞬でなくなっていた。 そんな騒動だが、亮子は、修復師のそもそもの思惑=大金を手に入れることを読み取っていた。空想シーンになるが、亮子が修復師にその真相ともいうべき疑惑を投げかけるところは、これまでと同様にゾクッとする展開だった。 ■偶然か、父が残した必然か…亮子のもとに浮かび上がったキーワード 価値観について考えさせられることになった粒来の過去の案件。十分な見応えのある展開だったが、亮子の目的は別のところにあった。それは、粒来がなぜ行方をくらませることになったのかだ。 そのヒントが浮上した。画商が、絵画の案件から10年ほどたったころに粒来を群馬県の知人に紹介していたことが判明。そのあとぐらいに、粒来は亮子とオセロゲームをした直後に「ちょっと出かけてくる。じゃあな」と家を出ていったままになったのだ。 亮子が美術館に行っていた時を同じくして、事務所には“群馬”から女性が亮子に相談したいことがあるとやって来ていた。さらに、亮子の元には、協力者の尊(中川翼)から闇バイト組織の指示役・キングが群馬出身であるという情報がもたらされた。 今後は“群馬”が鍵となり大きな謎に迫っていくようだ。亮子が美術館にいた人物に話を聞いて追想する一方、圭子から内容を聞いていた杉浦は、粒来の手腕を「神波先生っぽい」と評し、「やっぱり親子なんですね」と言った。第9話の描写で似ている亮子と粒来をあらためて見せ、クライマックスへとグンと加速した。 視聴者からは「いよいよ核心に迫っていく感じ」「親子対決再び?」「どうなっていくんだろう」と期待が高まっている。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部