野球とラグビーの「二刀流」に励む15歳、父親はあのレジェンドWTB
【ベテラン記者コラム】米大リーグ(MLB)・ドジャースの大谷翔平のおかげで、「二刀流」という言葉はもはや日常語となった。 【写真】野球のIMGクラシックインターナショナルU-15日本代表に選出された吉田侍人 野球とラグビー、全く性質の違う団体球技で「二刀流」を追い求めているのが、青山学院中等部3年の吉田侍人(らいと)だ。おおいなる素質の持ち主。それもそのはずで父親は秋田工高、明大、伊勢丹で活躍。日本代表キャップ30を持ち世界選抜に3度選出されたレジェンドWTBの義人氏(現日本スポーツ教育アカデミー理事長)なのだから。 野球との出合いは小2のとき。横浜の学童チーム・元石川サンダーボルトでTボールを経験、小4から目黒区の不動パイレーツに移籍、小6で都大会優勝し全国大会出場を果たした。約700人の応募から東京ヤクルトスワローズジュニアの16人に選出され、12球団ジュニアトーナメントにも出場した。 中学では硬式野球に挑戦。近鉄や楽天、MLBマリナーズなどで投手として活躍した岩隈久志氏が創設した青山東京ボーイズに入団した。今夏には、米フロリダのIMGクラシックインターナショナルU-15日本代表に選出された。守備範囲の広い中堅手で、4番を打つこともある。 ラグビーは5歳から神奈川・田園ラグビースクールで始め、小3から青山学院初等部の「コアラーズ」に所属。中等部でラグビー部に入部し、2年生の秋には東京都選抜のFBとして東日本大会に出場。チームのファーストトライを奪った。50メートル走6秒2、1500メートル走4分50秒は、ともにセレクションでトップを記録した。 夏に中学野球を引退し、2学期から秋季大会でラグビー復帰、青山学院の決勝トーナメント進出にも貢献した。中3からは野球に専念するため、ラグビー選抜チームの活動は辞退していたが、秋季大会のプレーを東京都選抜の監督から評価され、強化スコッドに追加招集が掛かった。本人も想定外だったが、このチャンスに年末の全国ジュニアフットボール大会出場に向けて、再びラグビー魂を再燃させようと練習に勤しむ。 侍人が「二刀流」に挑戦できたのも、青山東京ボーイズの岩隈氏がラグビーとの両立を快く認めてくれたことが大きい。岩隈氏も侍人のプレーを見て「野球だけやってきた選手には見られない動きがある」と注目したそうだ。