【中日】大野雄大「同学年が苦しみ始めている」2軍再調整も心に期す復活ロード「投げることで『雄大、頑張っとるな』と思ってくれるはず」
中日の大野雄大投手(35)が1軍復帰マウンドで一発攻勢にさらされた。29日のバンテリンドームナゴヤでのDeNA戦に先発したが、3本塁打を浴び5失点KO。試合後に2軍への逆戻りが決まった。チームは1―5で敗れ3連敗。借金は今季ワーストの「7」に膨らみ、苦しい戦いが続く。 費やした時間に結果が伴わない。アーチがかかる度、相手ファンが陣取る左翼席が揺れる。その光景を大野は険しい表情で見つめていた。約2カ月ぶりの1軍マウンドで待っていたのはDeNAの一発攻勢。「上位打線を抑えられなかった。今の自分の実力だと受け止めて、またやっていくしかない」と唇をかんだ。 出はなをくじかれた。初回2死一塁で4番・牧に初球の外寄り141キロを左翼席に運ばれた。4回には再び牧にソロアーチを許し、5回は桑原にも2ランを浴びた。2020年6月26日広島戦(ナゴヤドーム)以来、4年ぶりの1試合3被弾となった。牧の1本目と桑原の本塁打はいずれも真っすぐ。「悪い感じではなかったけど、一発で仕留められた」と振り返った。 もどかしさが言葉の端々ににじむ。前回の1軍登板後、左肘の状態が上がらず抹消。開幕を意識するあまり「体よりも気持ちが前に出た」という。まずは昨年4月にクリーニング手術を受けた左肘のコンディションを整えることに注力。「万全」と言える状態になった5月中旬からは、武器である直球の質を上げることに着手。二段モーションをやめてみるなど試行錯誤を繰り返し、直近2試合では13イニング無失点。「打者の反応も変わってきた」。空振り、ファウルが増え、本来の姿に近づいたかに見えたが、現実は厳しかった。 竜を取り巻く環境は厳しい。リーグ戦再開後、喫した4敗は全て先発が先制点を許している。打線が直近8試合で9得点と状態が上がらない中、先発陣の踏ん張りが勝敗に直結してしまう現状だ。借金が今季ワーストの7に膨らむ中、大塚投手コーチは「(援護がない中でも)やるしかないのでね。まずは0点に抑えていくことですね」と話した。 大野は試合後、2軍での再調整が決まった。「上位打線を抑える球を追求することですね」。今年36歳になる左腕には心に期するものがある。「同学年の1988年世代が苦しみ始めている。でもみんなが頑張っている。僕にとって刺激になるし、逆に僕が投げることで『雄大、頑張っとるな』と思ってくれるはず。後半に向けてそんな姿を見せていければ」
中日スポーツ