受験生の親の「合格祈願」本当はやめてほしい理由 「不合格=失敗」という考えがもたらす悪影響
受験が近づくにつれて、さまざまな不安や焦りを抱える受験生や親は多いと思います。それらを解消するためにはどうしたらよいのか。短期集中の毎日連載「現役東大生が解決! 受験お悩み相談室」では、偏差値35から東大合格を果たした漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡壱誠氏が率いるカルペ・ディエムのメンバーが、数多くの受験生を指導した経験を基にした解決策を伝授します。【連載第6回】 【漫画で読む】『ドラゴン桜』桜木先生が東大に落ちた生徒へ向けて話したこと ■親の合格祈願がプレッシャーになる
2024年も終わりが近づき、いよいよ2025年が始まろうとしています。そして2025年になったら、初詣に行く人も多いと思います。 受験生の子を持つ親御さんであれば、きっとそのタイミングで神様に「どうか子どもが合格しますように」と祈る人も多いのではないでしょうか。 僕も「親戚が合格を祈って絵馬を描いてくれたんです」「兄弟が合格祈願のお守りを買ってくれました」と語る受験生を多く見てきました。 ですが、これが受験生にとってプレッシャーになってしまう場合があります。
「こんなに多くの人から祈ってもらったのに、不合格になったらどうしよう」と考えて緊張してしまったり、体調が悪くなってしまったりする受験生も多いのです。「祈り」が「呪い」になってしまうわけですね。 だからといって、「祈らないほうがいい」という話ではありません。僕が今回みなさんにお伝えしたいのは、「祈り方が違う」ということです。 実は自分の母親もずっと、神社にお参りに行っていました。僕は2浪してしまったので3回受験がありましたが、1月になると毎年決まって、近くにある神社にお参りに行くのです。しかも、どうやら結構な金額を包んでお祈りしているらしいのです。
僕は、「なんだか申し訳ないな」と思って、母親にこう言いました。「毎回、自分の合格を祈願してくれてありがとう」と。 そしたら母親は、「あんたの合格なんて祈ったことは一度もないわよ」って言うんです。 ■母が祈っていたこと 僕は驚いて「ええ!? じゃあ、何を祈っているの?」って聞いたんですが、それに対して母親はこう返したんです。 「あんたが、試験会場まで無事にたどり着けるように祈っているだけよ。『息子が身体的な不調なく、風邪を引かず、雪で電車が止まったりせず、ちゃんと試験会場まで無事にたどり着けるように』とは祈っているけど、合格・不合格に関しては、私は知らないわよ。あんたの人生でしょ。神様に祈るようなことじゃないでしょ」