受験生の親の「合格祈願」本当はやめてほしい理由 「不合格=失敗」という考えがもたらす悪影響
その言葉を聞いて僕はこう思ったんです。 「ああ、そうだよな。これは自分の受験なんだよな。自分がその結果を受け止めなきゃならないんだ」 と。そして自然と「頑張ろう」という気持ちがわいてきました。プレッシャーでそう考えたというよりも、「自分の人生なんだから、自分が頑張らなきゃならない」と考えられるようになったように感じます。 東大に合格してからこの話を東大生たちに話すと、同じような応援をされていた人が意外にも多かったです。
・親から『合格祈願』のお守りはもらわなかったけれど、『無病息災』のお守りはもらった。(教育学部4年生) ・「合格・不合格はいったん置いておいて、とりあえずやれるだけやってこい!」と言われ続けていた。(法学部3年生) このように「合格できますように」ではなく、「試験会場まで無事にたどり着けますように」ということを祈っている家庭が多かったのです。結果ではなく、そのプロセスとしてきちんと頑張っているということ自体を評価しているわけです。
そういう意味では、「合格してほしい」と考えている親御さんの家庭よりも、「合格でも不合格でもどちらでもいい。だけど、不本意な形で受験が終わってしまうことは避けてあげたい」という家庭のほうが合格率は高くなるといえます。 ■試験終了直後に「お疲れさまパーティー」を開催 これに関連するもう1つの事柄で「東大に合格する家庭では、受験のお疲れさまパーティーをするタイミングが早い」という話があります。東大受験は2月25日・26日で、合格発表は3月10日です。後期入試を受験する予定がない人だと2月26日が受験の終わりになります。
通常であれば、受験に関するお祝いやパーティーは合格発表の3月10日に設定するものですよね。でも何人かの東大生は、「2月26日がお祝いの日だった」と言っていました。親御さんが「合格しているかどうかはわからないけれど、でもとりあえずここまでよく頑張ったんだから、それをほめる会を開こう」と言ってくれたそうです。 受験で頑張って、成長できたことを評価してくれる親御さんの家庭だと、受験生がプレッシャーを感じることなくのびのびと受験することができるというわけですね。