ダックス125とモンキー125は乗れる免許も違う! タンデムできるのは? スペック比較で解説
エンジンのスペックは同一ではなく、最高出力/最大トルクは同じでも発生回転数はモンキー125のほうがやや低回転寄り。これはマニュアルクラッチを使用することから、発進しやすいようにトルク特性を変更しているのだろう。また、各減速比もけっこう異なっていて、1次/2次合計の減速比がショート傾向のモンキー125のほうは、1速も低く設定されている。これもやはり発進時の力強さを重視したのだろう。また、5速まで入れると全体の減速比はモンキー125のほうがロングになり、やや低い回転でクルージングできる。つまり、モンキー125のほうが1~5速のカバー範囲が広いということだ。 ダックス125は逆の特性だ。クラッチ操作を必要としない自動遠心クラッチを採用したことで、一定の回転まで上げると自動でクラッチが繋がり、エンストの心配がないのと、効率よく半クラッチ状態を作ってくれるため、特に意識せずアクセルを大きく開けて発進することができる。同時に、1速でアクセルを戻した際のエンジンブレーキの利きを穏やかにする意味もあるかもしれない。これらの理由により、1速はモンキー125よりもかなり高め(同じ車体速度なら回転数は約17%低い)の設定とされている。一方、トップ4速でモンキーと同じ速度で巡行した場合は、エンジン回転数が3.8%ほど高くなる設定だ。 とはいうものの、欧州のダックス125のリリース資料には「スーパーカブC125と同じように90km/h巡行が可能」と記載されていることもあって、減速比の違いについてはあくまでもキャラクターの違いというだけで、実際の走りではあまり気にならないはず。AT限定免許で乗れるダックス125は4速でズボラな走りも可能、MT免許のモンキー125は5速でギヤチェンジを楽しめる、そんな棲み分けと言えそうだ。
人とつながるダックス125、ソロで楽しいモンキー125
ダックス125とモンキー125のキャラクターの違いは、タンデムがOKかNGかという点でも大きく分かれている。同じレジャーバイクで2車とも大きさはだいたい同じように感じるかもしれないが、2人乗りが可能なダックス125はフラットで前後に長いダブルシートを採用していて、ライディングポジションについては前後移動の自由度の高さが特徴だ。そしてシート幅はスリムなため、実際の足着き性では優勢だろうか。ただし、モンキー125はシート全体が尻を支えてくれるような形状なので、長時間の走行でも痛みは出にくい。 ちなみに、車両の全長でもダックス125のほうが50mmほど長いが、それだけでなくタイヤは同じ12インチでもダックス125のほうが前後とも扁平率が低く外径がワンサイズ小さいことから、見た目の印象でもダックスの胴長短足スタイルが強調されている。 ──シート高はほぼ同数値。全高はダックス125のほうが10mm低い。シート形状に注目だ。