帰国した井上尚弥。右は大橋秀行会長

　ボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥（31＝大橋）が10日、全米ボクシング記者協会（BWAA）が選ぶ2023年の年間最優秀選手賞（シュガー・レイ・ロビンソン賞）の表彰式に出席するために訪れていた米ニューヨークから羽田空港着の航空機で帰国。同行した所属ジムの大橋秀行会長は、ニューヨーク、ラスベガス、サウジアラビアなどでの試合のオファーを受けたことを明かした。 　アジア人では3人目、日本人では初の栄誉に輝いた井上は、現地時間6日の表彰式では大歓声で迎えられたといい、「期待されていることとかも感じましたし、行けてよかったと率直に感じました」と満足顔。これまで米国ではラスベガスなどで3試合行い、直近では22年9月にロサンゼルスで合宿を行っているが、「アメリカに来るにつれて知名度が増してきていると感じる。ロスの合宿と比べても増している」と実感していた。 　そして、知名度の上昇を物語るように、大橋会長は表彰式場長で複数のボクシング関係者から試合のオファーを受けたことを明言。「やってくれ。すごくアメリカのファンが待ち望んでいる」などと声をかけられたといい、井上と契約する米国の大手プロモーター、トップランク社のボブ・アラムCEOから望まれていることを「強く感じた」と語った。そして、尚弥も「思いましたよ。またアメリカでやりたいと。評価がアメリカでちゃんとあるなら行きたい」と意欲を示した。 　現地時間7日にはヤンキースタジアムで行われた大リーグのヤンキース―ドジャース戦で大谷翔平、山本由伸らのプレーを観戦。山本と初対面した様子がドジャースの公式X（旧ツイッター）でも紹介された。同8日にはニューヨークで行われたボクシング興行を観戦した際に、米スポーツ専門局「ESPN」の生中継に出演。大橋会長によると、井上がニューヨークのホテルや街中で少年から写真撮影を求められ、「（日本）ボクシング史上、初の人間じゃないかと思った」と知名度に驚いたという。モンスターは再び米国に上陸するだろうか。