設備の更新・リノベーション…バブル期の中古マンションを〈選ばれる物件〉にするためのポイント【不動産投資のプロが解説】
古い物件にはマイナスのイメージがあるかもしれません。しかし、バブル期に建てられたRC造マンションは新耐震基準が適用されており、品質が非常に高いのが特徴です。そのため築古だと敬遠するのは損だと話すのは、株式会社プラン・ドゥの代表・杉山浩一氏です。とはいえ長く使い続けるためには、適切な設備更新やリノベーションも欠かせないとも話します。今回は、その点について杉山氏の著書『新富裕層のための本質的不動産投資』(明日香出版社)より一部を抜粋し、ご紹介します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
時代のニーズに合わせたリノベーションとは?
構造が非常にしっかりしているバブル期のRC造マンションに関しては、「築古」というイメージに惑わされず、長く使い続ける道を探すべきではないかと考えています。 しかし、それには欠かせない条件があります。その条件とは「修繕」と「更新」の2つです。建物は大規模修繕で安全性を確保し、設備や内装、間取りについては時代のニーズを取り入れながら更新する必要があります。 不動産「投資」という側面から見ても、「解体すれば多額のコストのかかる構造を長く使い続けるために、設備を更新していく」との考え方には合理性があります。だからこそ、構造と設備は分けて考える必要があるわけです。 設備の更新に関して、まずはシンプルに、「ある程度劣化が進んだものを交換するのか、もう少し使い続けるのか」という選択があります。 例えば、エレベーターの寿命は一般に30~40年です。エレベーターを交換しようと思うと1基あたり約1,000万~1,500万円かかります。築40年のマンションの場合であれば、「建物自体がもう古いし、そう遠くない先に住めなくなるから、そこまでコストをかける必要はない」と考えるオーナーも少なくないでしょう。 しかし、マンションは100年もつと知っていたらどうでしょうか。少なく見積もっても70~80年は快適に住み続けられるという前提に立つのであれば、築40年はちょうど折り返しの時期です。 現実的な耐用年数の中で効果性、効率性の高い設備交換を実施しようと考えれば、建築当時のエレベーターを動かせなくなるまで使い続けるよりも、全体計画の中の中間地点(築40年)での交換がクレバーな選択。まさにグッドタイミングなわけです。