会見に臨む井上拓（撮影・横山健太）

　プロボクシングWBA世界バンタム級王者の井上拓真（28＝大橋）が7大世界戦の“最高試合”で、WBC同級王者の中谷潤人（26＝M・T）との統一戦に弾みをつける。13、14日の2日間、東京・有明アリーナで行われる7大世界戦の公式会見が11日、都内で行われ、13日のメインイベントで同級2位堤聖也（28＝角海老宝石）と3度目の防衛戦に臨む井上は「一番盛り上がる、一番熱い試合をしたい」と宣言した。 　堤には高校2年のインターハイ準決勝で対戦して判定勝ちしている。挑戦者はリベンジに強い決意をにじませている。会見で堤と対面し、「気合が入っている感じが伝わってくる」と隣に座った挑戦者の熱を感じながらも「自分もそれ以上の気合を出す。同級生同士のバチバチの熱い試合になる」と続けた。 　2日間興行では13日に井上、14日に中谷の防衛戦がメインイベントになる。ともに勝てば統一戦への機運が一気に盛り上がる。それだけに今回は結果だけではなく、試合内容にもこだわる。「一番戦いたいのは中谷選手。統一戦に向けて、堤選手を返り討ちにする。そこから見えてくるものがある」。 　高校3年時のプロデビュー戦は、後にWBO世界ミニマム級王者となった福原辰弥に判定勝ちするなど日本人との対戦は過去7戦全勝と圧倒的な強さを誇る。「コンディションはすごくいい。体重も問題なく落ちている。13日の試合は統一戦に向けて負けられない一戦。しっかり堤選手に集中して勝ちたい」。最高の試合内容で格の違いを見せつけて、統一戦の前景気を盛り上げる決意だ。【首藤正徳】