“ロスの超特急”坂本勉がメダルの可能性を占う「ケイリンで2人揃っての表彰台ある」/パリ五輪・自転車
netkeirin特集企画「坂本勉のパリ五輪開催展望・男子編」
1984年、ロサンゼルス五輪の自転車競技で日本人初となる銅メダルを獲得した“ロスの超特急”こと坂本勉氏。競輪選手を引退後、自転車競技日本代表監督を務め、2021年の東京五輪では男子ケイリンのぺーサーの役目も担いました。今回はパリ五輪・自転車トラック競技の「メダル獲得の可能性」についてお話をうかがいました。本記事では男子選手について掘り下げていきます!(構成:netkeirin編集部)
日本代表の大黒柱・太田海也
ーー自転車トラック競技・日本代表選手ですが、男子は今村駿介、太田海也、小原佑太、窪木一茂、長迫吉拓、中野慎詞、橋本英也選手、女子は池田瑞紀、内野艶和、太田りゆ、垣田真穂、梶原悠未、佐藤水菜選手が選ばれています。 (坂本) 3年前の東京オリンピックから更に実力を付けてきた選手、東京オリンピックの後から一気に成長を遂げた選手が選ばれた印象を受けます。 ーー今回は男子選手についてお話を聞かせてください。選手たちはアジア選手権や世界選手権、ネイションズカップなどで世界の強豪を相手にポイントを獲得してきました。 (坂本) その中でも日本のトラック競技の大黒柱と言えるのが太田海也です。2024年はネイションズカップ第1戦の男子スプリントに続き、第2戦の男子スプリントも連勝。第2戦では男子ケイリンでも優勝しており、今年に入ってからの充実度が著しいです。
男子チームスプリントはメダル可能性きわめて高い
ーー太田選手は長迫選手、小原選手と臨んだ2023年のアジア競技大会のチームスプリントで大会記録を樹立して金メダルを獲得しました。海也選手が出場を予定している種目はケイリン、スプリント、チームスプリントです。 (坂本) 太田が出場する3つの競技の中で、最もメダルの期待が大きいのは、長迫、小原と挑むチームスプリントだと思っています。この競技に関しては、オランダとオーストラリアが抜けた存在となっています。そこに開催国であるフランスと日本の3位争いとなりそうですが、今年のネイションズカップではオーストラリアに続いて2位の成績を残しています。 ーー五輪直前の大会で2位、期待も膨らんできますね。チームスプリントは第1走が長迫選手、海也選手が第2走で、第3走が小原選手となっています。 (坂本) 長迫はBMXの競技でリオと東京、2大会連続でオリンピックに出場しています。BMXでならした脚力というのか、いわゆる「ゼロ発進」に秀でている第1走向きの選手です。第2走の太田は長迫のダッシュを更に伸ばして行けるスプリント能力に秀でており、第3走の小原はトップスピードの高さはさることながら、そのスピードを維持できる走りができますね。 ーーこの3人で臨んだ2024年のネイションズカップ第1戦では、42秒742で日本記録を樹立、男子スプリント史上最強かつ最速の3人とも言えそうですね。 (坂本) それに、ほぼメンバーを固定しながら戦ってきているだけに、オリンピックでも安定した力を発揮できるはずです。小原は自分と同じ青森の選手ですが、最近は調子を更に上げているとのことで、太田や中野よりもいいのではとの声も聞こえてきているほどですよ。