ラグビーの日本選手権、来季から大学枠撤廃決定の賛否
21世紀に入ってからの学生の社会人撃破はわずか2回。しかし、帝京大は、第52回大会(2014年度)でNECを撃破。以前は「点差がつきすぎて勝負にならない」などの問題点も噴出していたカードの価値を、学校総出の支援と地道な育成で激変させた(そのうち1回は、早大がトヨタ自動車を下した第43回大会)。 19季ぶりに社会人王者と学生王者の一騎打ちとなった第53回大会(2015年度)では、帝京大はパナソニックに15―49と完敗。しかし当時の坂手淳史主将(パナソニック)は、「身体を当てた感触では通じた部分と、(相手が)うまいなと思う部分の両方があった」と話していた。 サンウルブズがスーパーラグビーへ参入できるのは、現時点では2020年までとされている。2020年度以降、学生の日本選手権参加の再検討がなされる可能性もある。逆に日本選手権の出場枠が、いま以上に広がるとしたら、学生王者はトップリーグの中位クラスとぶつかる可能性がある。右肩上がりの帝京大、もしくはその帝京大に肉薄する東海大などがその対戦相手に挑めば、ファンの期待も高まるだろう。 トップ選手の心技体は、日本ラグビー界全土が守るべきだ。それと同時に、この先トップ選手になるかもしれない人々の機会も、日本ラグビー界全土が守るべきだ。 (文責・向風見也/ラグビーライター)