「ガシャポンから丸いカプセルが出てこない」常識を覆す変貌を続けるカプセルトイ業界…ファン同士の交流も生み出す“推し活”との親和性
■SNS上で交換するコミュニティも形成…グッズとして拡大する“推し”と日用品のコラボ商品
専門店の増加と共に到来しただけに、第5次ブームの何よりの特徴は商品のバリエーションが大幅に増えていることだ。同社は、1983年、ガシャポンの第1次ブームを巻き起こした「キンケシ」を皮切りに、1994年にはフルカラーで彩色が施され、造形も精巧になった「HG(ハイグレード)シリーズ・ウルトラマン」で第2次ブームを創出。その後も妖怪ウォッチシリーズの「妖怪メダル」をヒットさせるなど、キャラクターものの商品を中心にブームを牽引してきた。 その後も商品バリエーションを増やし続け、現在、月に100種類以上の商品を発売しているという。 「現在、弊社の商品では、傘やペットボトルなどに目印として付けられる『めじるしアクセサリー』シリーズが幅広い層に人気を得ているほか、大人の男性を中心に、本物をリアルに再現した『いきもの大図鑑シリーズ』が人気となっています。また、消費者の生活の中にある品々や通常であればおもちゃにならない商品のミニチュア、平成レトロなど懐かし系の商品もトレンドになっています。フラットガシャポンではラバーコースターが一番人気で、実用的な物が増え、人気となっています」 そんな第5次ブームの中ではカプセルトイと“推し活”の親和性も感じることができる。フラットガシャポン一番人気のラバーコースターでは、サンリオやちいかわなどのキャラクターデザインを発売し、ファンを喜ばせてきたが、このほか、K-POPグループやバレーボール男子日本代表の実写を使用したクリアファイル、人気アニメやアイドルのイラストをデザインしたうちわなどを発売。“公式グッズ”としても広がりを見せ、SNSを中心にファンの間で大きな話題を呼んでいる。 「これはカプセルトイ全般においていえることですが、購入した商品をSNSにアップし、口コミで広がっていくということが最近、非常に増えています。さらに、K-POPアイドルやキャラクター系のガシャポンでは、それに加えて、自分の推しとは違う商品が出てきた際、SNSにアップして、欲しい人と交換するというコミュニティまでできています。単に商品を購入するだけでなく、ファン同士の交流も含めて商品が楽しまれるようになっているというのは、予想外の展開でした」 このほか、同社は従来のガシャポンでも「#(ハッシュタグ)」に「推す」「尊すぎて神」など推し活ワードが付いたラバーを「#ハッシュタグつけるシリーズ」として発売。推し活グッズや自分の持ち物に付けて、推し活をさらに楽しめるとして、人気を呼んでいる。