「ガシャポンから丸いカプセルが出てこない」常識を覆す変貌を続けるカプセルトイ業界…ファン同士の交流も生み出す“推し活”との親和性
ショッピングモールに百貨店、駅ナカなど、今やあちこちで見かけるカプセルトイ。昔の“子どもが喜ぶ安価なおもちゃ”というイメージから一転、今や大人の心もくすぐる精巧・多彩なラインナップで、幅広い層から人気を得ている。そんな中、市場を牽引してきたバンダイは、2022年に従来のカプセルトイの常識を覆す最大A4サイズ、厚さ1cmまでの平面商材が出てくる『フラットガシャポン(R)』(以下同)を発売。キャラクターやアイドルなどが印刷されたコースターやクリアファイルなど実用性を兼ね備えたラインアップが人気を集めている。「ガシャポン(R)」(以下同)は今後どこまで進化するのか? 市場のトレンドと今後の展望をバンダイに聞いた。 【画像】「#尊すぎて神」「#推しがいる幸せ」推しを推しまくれるストラップ
■「第5次ブーム」に突入、ブームの火付け役は“カプセルトイ専門店”
コインを入れてハンドルを回すと、“下部の取り出し口に玩具の入った丸いカプセルが落ちてくる”カプセルトイ。その常識を覆し、ハンドルを回すと“上部の細長い隙間から、クリアファイルやうちわなど、薄くて平らな商品が出てくる”その名も『フラットガシャポン』が登場したのは、2022年2月。誕生のきっかけをバンダイのベンダー事業部 事業開発チーム 五十嵐達志氏はこう語る。 「近年カプセルトイ市場はブームと呼ばれる盛り上がりを見せ、購入されるお客様の層も拡がっていったことから、我々はより幅広い層の方々にワクワクを届けられるよう商品バリエーションを増やしてきました。そんな中、既存の自販機を活かしながらも、新しくて、お客様に面白いと思ってもらえるようなサイズの商品を展開することができないかということから開発が始まりました」(五十嵐氏/以下同) 現在のブームはカプセルトイ市場において、「第5次ブーム」といわれている。(※)そのきっかけは、カプセルトイが多数並んだ「カプセルトイ専門店」の増加だった。同社グループ企業であるバンダイナムコアミューズメントが2020年にカプセルトイ専門店「ガシャポンのデパート」を横浜ワールドポーターズに出店したのを皮切りに、翌2021年からは商品ラインアップがバンダイのオリジナルカプセルトイブランド「ガシャポン」のみで構成される「ガシャポンバンダイオフィシャルショップ」をグループ企業協業で展開、全国に店舗を拡大してきた。 「それまでガシャポンは、通りかかったときにたまたま目にして買うというような、自販機との“出会い買い”のような形でご購入いただいていました。しかし、専門店ができてからは、ガシャポンを目的にお店に足を運ぶ方が増え、より幅広い層のお客様がガシャポンに触れられるようになり、人気が拡大していった印象です。毎週行くたびに新たな商品があって、飽きがこないことも人気の理由の一つだと思います」