日本初、夕陽の心地よさが天気予報で数値化!?夕陽を用いたビジネスに風雲児現る
日本各地の夕陽の名所のPRや発信による、新しい観光資源の発掘や地域の賑わい創出が目的の夕陽専門の予報システムが2024年8月にリリースされた。その名は「SunSet予報」と「SunSet Chill予報」。「リラックスする」や「まったりする」などの意味を含む「チルアウト」を夕陽の魅力として掲げる一般社団法人日本夕陽を観てチルアウト協会が、気象予報業務事業者(※1)の株式会社ライフビジネスウェザーと共同開発を行った。 【画像】映える夕陽が観られる確率をパーセンテージとコメント、アイコンで表示するSunSet 予報(イメージ) ※1:気象予報業務事業者とは、気象庁長官の許可を受けて、気象、地震などの地象、津波、高潮、波浪又は洪水の予報の業務を行う事業者のことを指す。 全国の夕陽・夕焼けを予報するSunSet予報 SunSet予報は、雲量、水蒸気量、花粉量、黄砂量、地形的要因などのさまざまな条件を加味した独自の夕陽予報で、映える夕陽が観られる確率を4段階で表現する。そのほかにも、夕陽が沈む時間や夕陽が沈む方位角も提供している。 【日本初】チルアウト環境を予報するSunSet Chill予報 SunSet Chill予報は、夕陽を観てチルアウトできる環境を「CHILL OUT指数」(※2)として指数化する独自の予報で、5段階で表現されるCHILL OUT指数の値が高いほど、チルアウトに適した気象条件になることを表している。また、悪天候時などチルアウトに適さない気象条件下では、チルアウトを逃す(Miss)の意味であえて「Miss Chill !!」と表現するなど、ちょっとした遊び心も入っている。 ※2:「CHILL OUT指数」とは、屋外でチルアウトができる(リラックスできる、快適に過ごせる)気象条件を独自のロジックで導き出した指数のこと。春夏秋冬シーズン別に、気温、湿度、平年気温差、日中の気温差、風速、花粉量、黄砂量などさまざまな条件を加味して導き出されている。 ■日本夕陽を観てチルアウト協会の担当者に話を聞いてみた。 ――アイデアはどのようにして生まれましたか?また、その実現に向けて苦労した点などありますか? 日本夕陽を観てチルアウト協会の創設者で代表理事を務める大間が、もともと気象予報士の出身ということもありまして、夕陽とチルアウトを予報化するというアイデアがありました。天気予報には、自然災害から国民の生命・財産を守る防災気象という役割がありますが、一方で天気予報を楽しく、エンターテインメント的な発信をしたいという当人の想いもあり、SunSet予報・SunSet Chill予報が企画されました。 開発で苦労した点としましては、チルアウト環境を指数化するにあたって、皆さんが快適、心地よいと感じてもらえる指数をどのように反映すればよいのか、そのロジックの調整に苦慮をしました。 ――ターゲットはどのような層なのでしょうか? 主な提供先としましては、夕陽を使った町おこしや観光資源化を行う自治体、観光協会、施設、店舗から見える夕景を魅力としている事業者(展望施設、ホテル、温泉、レストラン、アウトドア施設、サンセットクルーズ事業者など)になります。 また、意外に思われるかもしれませんが、お寺でのご活用もおすすめをしております。実は仏教と夕陽には深いつながりがあり、日想観という沈む夕陽を観て浄土を観想する行い(修行)があります。現在、日想観を発信している有名なお寺ですと、京都の清水寺や大阪の四天王寺などがあります。 ――気象予報業務事業者との共同開発とのことで、通常の天気予報として参考にすることも可能なのでしょうか? 今日明日の予報・気象データについては、1キロメッシュの細かい解像度で予報をしており、本予報を通常の天気予報として参考にすることも可能です。特に、夕陽を観ながらリラックスした時間を過ごせるような天気の穏やかな日には、通常の天気予報としてご活用いただけます。 ――読者に伝えたい夕陽の魅力などあれば、ぜひ教えてください。 夕陽は季節や気象条件によってさまざまな変化をします。夏至と冬至では夕陽の沈む方位角は約60度変わりますので、たとえば同じ場所から夕陽を眺めても、季節によって夕陽が海に沈むこともあれば、山に沈むこともあります。夕陽の色も湿度で変わりますし、雲の出方、日光の反射の仕方でも夕焼け空の表情は異なり、一期一会となります。日本各地の風景風土の中で、夕陽はたくさんの個性を持っています。 本予報は、夕陽を楽しみたい、綺麗な夕陽に出合いたい。癒やしを求めている方にピッタリの予報です。日頃頑張っている皆さんにぜひ予報を参考にしていただいて、夕陽映えスポットへ足を運んでいただき、心と体のエネルギーチャージをする。そんな使い方をしていただけるとうれしいです。 ――最後に伝えたいことはありますか? 日本夕陽を観てチルアウト協会の、夕陽とチルアウトをフックに全国各地に賑わいを創りたいという想い。そして、その先には地方創生や夕陽を眺める文化の創造という理念があります。SunSet予報・SunSet Chill予報はその実現のためのイチ事業です。まだほかにもあたためている事業企画がありますので、当協会の想いや理念に共感をしていただける自治体、法人、事業者様がいらっしゃいましたら、ぜひともお問い合わせください。パートナーは常時募集をしております。 日常の喧騒の中で頑張った日でも、非日常を味わうために遠出をした日でも、一日が終わりに近づく時間に綺麗な夕陽を眺めることで、癒やされたりリラックスしたりする人は少なくないだろう。そんな「チルアウト」な体験をもたらしてくれる夕陽の力は、遠くない未来でSunSet予報、SunSet Chill予報によって、さらに多くの人に届くようになるかもしれない。これからも夕陽資源を活用した地方創生、地域活性化を目指す、日本夕陽を観てチルアウト協会の活躍は要注目だ。 文=平岡大和