「篤人さん、上手かったので」DF町田浩樹の“内田先輩と鹿島イズム”がアツい…日本代表をもっと強くするため「属人的にならない仕組みを」
主力とサブの差を「そこまで心配ない」と語る根拠
だから、主力組とサブ組のリテラシーに差がついてしまうのではないかという批判についても、心配はないと町田は一蹴する。 最終予選に入ってからの日本代表はスタメン選手の入れ替えがほとんどない。 オーストラリア戦で初めて先発した田中も、遠藤航が体調不良で欠場しなければチャンスはこなかったかもしれない。最初の3試合でスタメン出場したのは12人だけ。試合ごとに大きくメンバーを入れ替え、チームを活性化させてきた第二次森保政権の最初の1年とはあまりに対照的だ。そうやって先発が固定されてしまうと、選手やコーチ陣で話し合って、どのようにプレーすべきかを探っていくスタイルを取っているため、サブ組が割って入りづらいのではないかという危惧があった。 「そこまで心配ないかなと」 町田は言う。 「練習でも、スタメン組と数名が入れ替わってやっているので、それぞれの選手のなかでイメージできていると思いますよ。それに、攻撃では選手が代わるごとに、それぞれの良さがすごく出ていると感じますから。薫くんには薫くんの、(中村)敬斗が出たときには敬斗の良さがゴールにつながっていますし」 実際、左利きの右ウイングバック堂安と右利きの左ウイングバック三笘という、置かれたサイドとは逆側を利き足とする選手間のパスクロスから、ゴールも生まれている。それはまさに、選手の特性や良さを出せている証拠だろう。
マンCがよくやるプレーなど、引き出しを増やせたら
ただ、だからこそ次のステップに目を向ける。 「例えばですけど……」 こう切り出した町田は、成長すべき2つのステップを口にした。 1つ目が、こうだ。 「相手が5バックにしてきたオーストラリア戦では薫や(久保)建英がえぐっていきましたけど、僕や(板倉)滉くんから逆サイドにクロスを入れるような、マンチェスター・シティが低いブロックを敷いてくる相手によくやるようなプレーなど、相手を崩すための引き出しを増やせたらいいですよね」 そして、もう1つ。 「出ている選手の特性によって戦い方が変わる形で、『この選手が入ったから、こういう動きを取り入れた方が良いね』みたいな仕組みは多く作れています。だから、これからは属人的にはならない仕組み、つまり誰が出ても出せる共通の形みたいなものも作っていければなと考えています」
平均0.25失点だけではない手ごたえを
そこまで話した上で、こう力を込めた。 「そういうことをやっていければ、さらにチームは良くなっていくと思っています」 アジアカップでは無失点試合は一度もなく、平均1.6失点だった。それが今回の予選ではクリーンシートが3試合で、平均0.25失点。第1回で触れたように、町田はGK鈴木彩艶と各試合後、相手の枠内シュートを確認するなど手ごたえを得ていると思われたが――着眼点はそこだけではなく、さらに上を見据えていた。 アジアカップで大事な試合で起用されない悔しさを味わった男は、チームを前に進めることに全力を尽くすことだけを考えている。 〈第1回からつづく〉
(「核心にシュートを!」ミムラユウスケ = 文)
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